【保温水着で「プール歩き」も快適 おなかの冷えを防ぐ】

健康のために屋内プールで運動する人が多いようです。でも、軽いウォーキングだけという人は要注意。屋内プールでも思いのほか体温は奪われてしまいます。そんなとき、保温水着が守ってくれます。

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  「おなかや腰が冷えちゃって。トイレも近くなるから、つらかったわね」。東京アスレティッククラブ・TAC中野本店(東京都中野区)に通う中脇知子さん(75)は、そう話す。8年前、中脇さんは初心者クラスにいた。ほとんど泳げず、1時間立ちっばなし。普通の水着を着ていると「寒くて、いつやめようかと患っていた」。

  同クラブのプールは、そうした人のために約30度に保たれている。それでも中脇さんは寒く感じた。

  中脇さんを変えたのが保温水着だ。たまたま業者がクラブに訪問販売で来ていた。試着し、プールに入ると驚くほど温かかった。

  素材はゴム。ダイビングのときに着るウェットスーツと同じで、水を通さない。おなかや腰が水から守られるうえ、脇などから水が入っても体温で温められるので、冷えは感じない。素材の厚さは2_ほどで、重さも気にならなかった。

  千葉工業大の若林斉准教授(温熱生理学)の実験によると、普通の水着で水温29度のプールに入り、じつとしている と、1時間後には体温が約1度低下する。保温水着だと体温の低下は約0・7度に抑えられた。被験者は成人男性。若林さんは「体温の調節機能が低下しているお年寄りや体の小さい子どもは、冷えるのが早い。冷えれば健康を害することもあるので注意が必要」と話す。

  実際、同クラブでは、3歳未満の子どもに保温水着を着てもらうようにしている。TAC中野本店の根本竜輔マネジャーは「子ども以外でも寒いと言う人には、保温水着を勧めています」と言う。

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水着を購入した中脇さんは、それから2年ほど着用を続けた。「泳げるようになって、暑いなと感じて保温水着から卒業したの」。

  購入する際の選び方や使い方にコツはあるのか。オーダーメイドの保温水着を販売するDCN(千葉県市川市)の菊地正浩社長は「体にピッタリと合ったサイズを選んでほしい」と言い、試着を勧める。ちょうどいいサイズだと、ボディーラインがすっきり見える効果もあるという。ぶかぶかだと隙間から絶えず水が出入りし冷たい。きっすぎると、苦しいことがある。

  保温水着は、普通の水着の上から着るのが基本だ。プールに入り、体と保温水着をどちらもぬらせば簡単に着られる。使用後は洗濯機を使わず真水で洗い、日陰に干しておけばいい。

  値段は2万5千円程度と少し高めだが、1着あれば安心してプールを楽しめるのではないだろうか。(富田洗平)

  [インフォメーション] 保温水着は、スポーツクラブの利用者のほか、長い時間水中にいる指導者にも人気があるという。ひざや腰など、冷えが気になる部分だけを覆うサポーターもある。腰のサポーターは普通の水着の下に着用する。DCNのウェブサイト(http://www.warmsuits.jp/)では、保温水着の着脱方法や手入れの仕方を詳しく解説している。




(出典:朝日新聞、2015/07/25)

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