【用具も充実、増える中高年サーフィン 自然に合わせ けがなく】

いよいよ夏本番。近年、新たにサーフィンを始める、あるいは若い頃に経験しカムバックする中高年が増えています。自然が相手のスポーツだけに、注意点もあります。

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日本で最初のサーフィン大会が開かれ、国内の発祥地とされる千葉県鴨川市は、年間を通じてサーファーが訪れる。50年以上のサーフィン歴があり、ここでオリジナルのサーフボード製作を手がける野村久之さん(67)は「最近は(仕事を)リタイア後にサーフィンをする人が出てきています」と話す。

加山雄三や石原裕次郎といった海の似合う銀幕スターに憧れた人も多いシニア世代。ただ、当時はギア(用具)やスクールが充実しておらず、きっかけがなかったのだという。「今は中高年向けのボードもあるし、始めるのが容易になっています」

その魅力を野村さんは「絶えず変化する波に集中するので他のことは考えられません。それが日常の悩みやストレスからの解放につながります」と語る。

経営するショップで月1回、50歳以上対象のスクールを開いている野村さんによると、中高年の初心者は、数人が一度に指導を受けるグループレッスンよりマンツーマンのスクールがおすすめ。知らない間に遠くに流されたり、転覆したりすることもあり、インストラクターの目が行き届く方がいいためだ。

水をかく「パドリング」で沖に出て、タイミングに合わせてボードの上に立ち、波に乗る。注意が必要なのは複数の人が波を待っている時だ。波は一番高いところから左石に崩れるが、崩れ始めたポイントにいる人に汲に乗る優先権がある。

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本格的に海に通うようになったら、ギアをそろえるのも楽しみの一つ。

野村さんによると、中高年は長さ2b未満の短いボードではなく、浮力が大きい2b以上のボードの方が向いている。「波にゆったり乗りたいか、ターンをきめたいか、自分なりの楽しみ方を考えて、店の人と相談するのがいいですよ」 

スクールはハードルが高いと、感じる人もいるかもしれない。元プロサーファーのドジ井坂さん(67)は、サーフィン体験も含めて海に親しむ活動をする「ビーチクラブ」を各地につくっている。

シニアの参加者は陸上でボードの上に乗りバランス感覚を養った後、浅い安全なところでサーフィンに挑む。70歳以上の人も波に乗れるという。井坂さんは「シニア世代が孫を連れてどんどん海に来てはしいです」という。

サーフィンの教育効果に詳しい和歌山大の藤永博教授(スポーツ科学)は「筋力や循環器系の機能向上だけでなく、普段から体幹を意識するといった生活を見直す効果もあります。ビーチ清掃といった社会活動に加わるきっかけにもなります」と話している。(野中良祐)

[インフォメーション]

日本サーフィン連盟のサイト(http://www.nsa-surf.org/)に、公認指導員のいるスクールなどが載っている。サーフィンが盛んな地域の観光協会にもスクールの情報がある。ビーチクラブ全国ネットワーク(http://www.beachclub.jpg/)は、体験活動の様子や今後の日程、開催場所などを掲載している。




(出典:朝日新聞、2015/07/18)

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