【肩こり腰痛防ぐ正しい椅子の座り方 あごを引き頭を真上に】

日本でオフィスワークをする人は労働人口の4割近くなのだそうです。そんなオフィスワーカーが仕事で使う椅子と机。健康を保つため、何に気を付けたらよいでしょうか。

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「姿勢の悪さから肩こりや腰痛を訴える人は増えています」。理学療法士として都内の整形外科などで医師の処方をもとに治療する竹井仁(ひとし)・首都大学東京教授によると、患者の半数は肩こりなどを訴える人だ。

筋肉は緊張で血管を収縮させるが、悪い姿勢で緊張が長く続くと血行不良になり筋肉が硬く なる。この状態が続くとこりを生じ疲労物質も蓄積し、筋肉の血流不足が痛みを生じさせる。これが無意識に持続的に続くこととなり、より血行を妨げるこりの悪循環が起こるという。

体に頭がまっすぐ乗り、そのまま真下へ重さがかかるのが正しい姿勢だ。あごを軽く引き頭 の頂が糸で上へ引っ張られているイメージを持つのが良いという。筋肉が元来の長さを保って緊張せず、こりが生じない。

「ここで重要なのは、正しい椅子への座り姿虜は、決して楽な姿勢ではないということです」と竹井さんは注意する。椅子に座った場合、猫背の方が楽に感じられるのだという。結果、首は本来のカーブを失った「ストレートネック」になり、頭は体の前へ出て、あごも突き 出る。肩も前方へ巻き込む形になる。頭や腕を支えようとして筋肉が緊張し、こりを生む。

一方、正しい姿勢では上体を起こし、背筋や腹筋をバランス良く働かせる必要がある。「楽 な姿勢は重力に負けてる姿勢。立ち向かって正しい姿勢に慣れれば、それを日常にできます」

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企業などで正しい姿勢を指導する仲野整體東京青山の仲野孝明院長は「正しい姿勢がとれる 環境をつくっていくのも重要です」と話す。あてがわれている机や椅子は一律のものが多い が、使う人の体に合わせ調整する必要があると強調する。最も合わせやすい椅子は、高さをひざが直角になるように合わせることで骨盤を起こして、上体をまっすぐにできる。本当は机も体に合わせて、ひじが直角になるように高さを変えたいが、難しければ、椅子を高くしたり低くしたりするのも次善の未だという。大柄な人は椅子を下げて上体を起こすようにし、小柄な人は足が浮かないように台を置くのが良いという。

姿勢に大きく影響するのはパソコンだという。「ノート型は姿勢の面からは長時間使うよう にできていない」。目線が低くなりすぎないように本体を台で持ち上げ、キーボードは外付けの物を使うのがいいという。

2人の専門家が必要性を指摘するのは、約1時間ごとの「休憩」。立ち上がったり歩いたり、体を動かしリフレッシュすることだ。竹井さんは「長時間でどうしても疲れ、姿勢は崩れ ます。休みを入れるのが一番です」と話す。(奥村輝)

[インフォメーション]

竹井さんが監修した「ゆがみリセット1週間ドリル」で、姿勢の悪さからくる全身のゆがみを直し、体調を取り戻すためのストレッチなどが紹介されている。仲野さんは著書「座り方を変えれば、身体の疲れがイッキに取れる!」で、正しい姿勢を習慣づけるために華や電車、デザイン優先の椅子にどう座ればいいかを説明している。




(出典:朝日新聞、2015/07/11)

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