【おいしい減塩料理、まず外食で体験 「見た目でも満足」工夫】

「日本人は塩分をとりすぎ」とよく言われます。塩を控えたいと思いつつ、「おいしくなさそう」と一歩を麟み出せずにいる人も多いのでは。ここ数年減塩料理を提供する飲食店が少しずつ増えています。まずは外食で「塩分控えめでもおいしい食事」を体験してみませんか。

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千葉県流山市にある「管理栄養士のビストロ EIZEN(えいぜん)」は、管理栄養士の高野(こうの)翠さん(31)がオーナーを務め、減塩ランチを提供している。

メニューは週番わりで常時3種類(税別900円)あり、主菜にご飯、サラダ、温かい野菜料理がつく。エネルギーは600`カロリー前後、塩分は2c未満に抑えつつ、野菜は1食に必要な量の1・5〜2倍を食べられるように計算されている。

例えば、主菜の「懐かしハンバーグ」はトマトソースの酸味がほどよく、物足りなさはまったく感じない。材料を混ぜて成形した後、真空包装をして加熱するという。高野さんは「真空包装で肉のうまみが逃げないので、少しの調味料でもしっかりした昧になります」と話す。

生野菜のサラダには白っばいソースがたっぷりかかっている。ジャガイモとニンニクなどで作ったオリジナルのソースで、野菜によく合う。男性客は「マヨネーズのように見え、視覚でも満足できるのがいい」と話していた。

高野さんはもともと千葉県内の総合病院で患者の栄養相談などを担当していた。糖尿病の患者は「病院の食事は薄味で、おいしくない」と言い、自然と食べる量が減った。結果的に血糖値が安定しても、退院後は元の食生活に戻り、再入院するという人が珍しくなかった。

高野さんは「おいしくてヘルシーな食事がない状況を変えたい」と考えるようになり、2009年に退職して調理法を研究。減塩料理を個人宅などに届ける事業から始め、昨年10月に店を開いた。「減塩料理で病気になる人が減れば医療費の削減 にもつながる」と意気込む。

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減塩料理を食べられる店は全国に少しずつ広がっている。その代表例が広島県呉市で始まった「こだわりのヘルシーグルメ減塩料理Dieetレストラン」という取り組みだ。

呉市内で開業する高血圧専門医、日下美穂さんの「外でおいしい減塩料理を体験すれば自宅でも続けてもらえる」という呼びかけで、08年、地元の飲食店が「1食400〜600`カロリー、塩分2〜3c未満」のメニューを提供するようになった。賛同する店は今、和食やフレンチなど呉市や広島市を中心に約40店ある。

和歌山市では「ホテルアバローム紀の国」が09年から医師が監修した減塩料理を宴会やレストランで提供。新潟県や群馬県では減塩の基準を満たすメニューがある飲食店を県のウェブサイトで細介している。(南宏美)

[インフォメ−ショ」

「国民健康・栄養調査」(13年)によると、日本人の食塩摂取量は1日当たり成人男性が11・1c、成人女性が9・4c。一方、国の「日本人の食事摂取基準」は15年版から18歳以上の男性でc未満、女性で7c未満を目標に掲げる。世界保健機関(WHO)のガイドラインは、16歳以上で5c未満を推奨している。




(出典:朝日新聞、2015/06/20)

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