【ミョウパンで体臭や雑菌を抑える 気になる場所に一吹き】

ムシムシと汗ばむ季節。汗臭さが気になります。臭いの原因となるのは、アンモニア臭や雑菌の繁殖。これらを抑える効果が、古くから使われてきた食品添加物ミョウバンにあると聞き、記者が試したところ、妻は「革命が起こった」と泣いて喜びました。

   □  □

ミョウバンは、硫酸とカリウム、アルミニウムなどがくっついた物質。白い結晶状のものがスーパーや薬局で「焼きミョウバン」として売られている。

漬けものや煮物の色を保ったり、ゴボウや栗のあくを抜いたりする目的で使われる。また、たんばく質を変質させる作用があり、タコのぬめり取りにも使われる。

そんなミョウバンのもう一つの効果が消臭だ。体臭予防に詳しい五味クリニック(東京都新宿区)の五味常明院長による と、古代ローマ時代から制汗剤や消臭剤として使われていたらしい。水中の不純物を沈殿させる浄水効果もあるため、プールやお風呂にミョウバンを溶かして入っていたようだ。

体臭は、汗そのものに含まれるアンモニア臭と、汗や脂を食べて繁殖する雑菌の排泄物の臭いなどが混ざったものだ。皮膚に弱酸性のミョウバンを塗ることで、アルカリ性のアンモニアが中和され、アルカリ性を好む雑菌が繁殖しにくくなり、汗臭さが軽減される。

ミョウバンのたんばく質への作用により毛穴が締まり、汗そのものが出にくくなる効果もあるといわれる。

五味さんは、ミョウバン50cを2mの水かお湯に溶かしたミョウバン水を作っておくことを勧める。お風呂に50∝ぼど混ぜ たり、スプレー容器に入れて首筋やわきに一吹きしたりして使う。洋服にスプレーしても効果があるという。

   □  □

ミョウバンを主成分にした制汗剤も市販されている。制汗剤ブランド「デオナチュレ」を展開するシービック(東京都)は2002年、皮膚に直接塗る固形タイプの販売を始めた。「ミョウバンは海外では制汗剤に使われていたが、日本では一般的ではなかった。天然由来で、安全性も効果も高い。ぜひ日本でも、と考えた」と同社。売り上げは毎年10%増という。

注意が必要なのは、濃すぎるとミョウバンを全身に塗ると、発汗が妨げられて熱中症の危険が高まること。このため、臭いが強い体の部位に、ピンポイントで使うのがいいようだ。

体臭は個性。悪いものではないが、気になって仕事や生活に悪影響が出るほど消極的になる人がいる。逆に、体臭が強くないのに「臭ってるんじゃないか、相手を不快にさせてはいないか」と悩む人もいる。

五味さんは「クリニックを訪ねてくる人で、実際はほとんど体臭がないという人も多い。うまく使えば、制汗剤は自信回復剤になる」と話している。(東山正宜)

[インフォメーション]

体臭予防はミョウバン以外にも、お風呂にクエン酸やお酢を入れたり、お湯にレモンを搾ったおしぼりでわきを拭ったりしても効果がある。体を清潔に保つだけでなく、お酒やたばこを控え、運動不足やストレスを解消するのも大切だ。臭いがきっい場合は手術をする場合もある。「わきが多汗症研究所」のサイトでは悩み相談もある。




(出典:朝日新聞、2015/05/30)

戻る