【減塩・低カロリ1は病院食に学ペ だしが命、満足度アップ】

病院が入院患者らに出す食事のレシピをまとめた料理本が人気です。評判の病院で、おいしく減塩や低カロリーを達成するためのコツを聞きました。

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「かるしおレシピ」シリーズで知られる、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)で、その日出た患者用の昼食を試食した。

ミートボール田舎風煮、赤魚と野菜の煮物の盛り合わせ、オイスターの炒め野菜、トマトとレタスのサラダ。どれも、だしがしみ出ていて、しつかりした味付けが楽しめる。ダイコンやニンジン、ブロッコリーなど、野菜本来の甘みも出ている。果物とご飯がついて計518`カロリー、塩分量は1・927c。村井一人栄養管理室長は「全部食べても厚切りのたくわん3枚分です」と言う。

センターの献立は、かつおのだし汁に薄口しょうゆと砂糖、塩を加えた「八方だし」を使っている。先代の調理師長は京料理の板前。その経験が生きている。

八方だしは料理に応じて希釈する。13倍に薄めた八方だしを飲んでみると、上品なお吸い物の香りが広がった。

しっかり昧が付くコツは三つ。「下ゆで」「ポリ袋づけ」「含め煮」だ。

肉を使う際は、八方だしとだし汁を合わせたもので下ゆでする。臭みやあくが取れ、うまみと風味がつく。

魚を使う際は、だし汁とおろしショウガを混ぜたつゆに、魚を1時間前後つけてから調理。臭みがとれ、味がしっかりつきながら、塩分は少なくて済む。

煮物を作る際はいったん火から下ろし、30〜60分程度冷ます。その間、だしがしみこみ、素材の昧と合わさった含め煮ができる。村井さんは「だしをしっかり中まで含ませれば、味の満足度が違う」と話す。

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病院食は低カロリーかつ栄養バランスもとれている。日常生活に生かすコツを、聖路加国際病院(東京都中央区)の岩間連子栄養科マネジャーに聞いた。

朝はご飯やパンをしつかりとり、夜はご飯は少し控えめにし、代わりに魚や肉、豆などたんばく質を取る。昼は、ご飯もたんばく質もしっかりとる。

どの食事も野菜から食べたい。「温野菜と生野菜の両方とるようお勧めします」と岩間さん。具だくさんのみそ汁なら野菜がとれ、汁を減らせば減塩に。コンビニでご飯を買う際も、常にバランスを意識する。おにぎり、野菜サラダ、納豆か豆腐などのたんばく質の食品をつけて。「よくかめば満足感が出る。食事時間は30分が目安。せめて15分は欲しい」

岩間さんは、ご飯など炭水化物を抜くダイエットが広がっていることを心配している。「糖質を全く取らなくなった結果、重症の糖尿病や腎臓病で受診してくる患者もいる」と、注意を呼びかけている。(錦光山雅子)

[インフォメーション]

病院食の献立本は、国立循環器病研究センターの「かるしおレシピ」(セブン&アイ 出版)のシリーズ(http://www.ncvc.go.jp/karushio/)が累計約36万部の大ヒット。1食の塩分2c未満をうたう。聖路加国際病院は、1食500`カロリー台の献立30日分が載った「聖路加国際病院の愛情健康レシピ」(永岡善店)を出している。




(出典:朝日新聞、2015/04/25)

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