【靴と足、正しくケアしてさわやかに 微生物「残すな増やすな」】

足のにおいは、自分であっても他人であっても、気になるもの。季節が変わるこの時期に、改めて自分の足と向き合い、足と靴のケアに臨んでみてはいかがでしょうか。

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調査会社「ネオマーケティング」が昨秋、インターネットで女性会社員2千人に足のにおいについて尋ねたところ、72・3%が「気になる」と回答した。31%は「足のにおいで失敗したことがある」という。

においの元は何なのか。「細菌や真菌などの微生物です。足の裏には体のほかの部位に比べ、真菌だと8倍も多くの属が確認されています」と、帝京大 医真菌研究センター所長の安部茂教授。これらの微生物が汗や汚れを分解するときにできる「イソ吉草酸」という物質が、むせかえるような強烈なにおいを放つ。においの強さは、酢の千倍だという。

微生物は、皮膚やアカなど体から出るたんばく性の汚れや、汗を栄養にして増える。足の裏は血行がよく、汗をかきやすい。密閉空間の靴の中は保湿、 保温効果も高い。微生物が増える絶好の環境といえる。

におい対策は、足と靴に微生物を「残さない」「増やさない」ことを鉄則に、汗などを除湿し、汚れを抱つことだ。

まず足裏を洗うときは指の間の汚れを落とし、爪は短く切る。臭気対策の専門家らでつくる「におい・かおり環境協会」理事の岩橋尊嗣(たかし)・大同大教授は「革靴を履くビジネスマンは、2日は靴を休ませて除湿した方がいい」と助言する。中敷きは外し、靴箱に入れず空気にさらす。汚れが目立つスニーカーは水洗い後、天日で乾かす。

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汗を靴に移さない役目を果たす靴下も意識しよう。お勧めは、吸水性と乾燥性に富んだ綿・合成繊維の混合素材のもの。ストッキングは吸水性に劣るが、乾燥しやすい利点もある。デスク仕事の際はサンダルに替えるなど、こまめに足を空気にさらすことを意識したい。

「この春、新しい靴を用意したら試してみて。においもつかないし、靴の長持ちにもつながります。部をはきぶぷす意識を変えましょう」と岩橋さん。

安部さんたちは、アロマオイル(精油)に抗菌作用、消臭作用があることを見つけ、昨年12月、日本アロマセラピー学会で発表した。「お勧めはレモングラス。市販のものをティッシュペーパーに1滴垂らして靴に入れ、一晩おく。拝発性なので、蒸散しないようアルミホイルで靴にふたをしてください」

こうした対策を取っているにもかかわらず、強いにおいが消えない場合、皮膚の病気の可能性もある。白癬菌で起こる足の水虫も、においを生み出す元になる。かゆみなど症状が出ず、病気だと常識していないこともある。「足と靴のにおい対策をしても強くにおうときは、皮膚科を受診して下さい」と安部さんは話している。(小林舞子)

 [インフォメーション]

帝京大の安部茂教授が主宰する研究グループ「機能性アロマソサエティ」のサイト(http://kokin-aro.ma.jp/)では3月上旬、精油を使った靴の消臭法を紹介する予定。におい・かおり環境協会のサイト(http://www.orea.or.jp/)では、「家庭のにおいでお悩みの方」というコーナーで、玄関の靴のにおい対策を掲載している。




(出典:朝日新聞、2015/03/07)

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