【「スローステップ」で冬の運動不足解消 ゆっくり長時問がコツ】

寒さで、外に出るのがつらい季節。健康のために始めたジョギングやウォーキングが続かず、運動不足になっていませんか。ゆっくりとした踏み台昇降運動、「スローステップ」なら 室内でも簡単にできます。31歳の記者はこれで、3週間で1・8`減量に成功しました。

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メタボ対策や寝たきり防止に効果的な運動として、福岡大スポーツ科学部の田中宏暁教授(67)は9年前からスローステップを提唱している。「体の負担は小さく、エネルギー消費量は多い。「運動の苦手な人や、お年寄りにもおすすめです」

用意するのは高さ20aぼどの台。これをかなりゆっくりとしたペースで上り下りする。「1ステップ1秒、1セットで4秒を目安にしましょう」。楽すぎて、効果があるのか不安になるほど。それでも田中教授は「息切れせず、笑顔でおしゃべりができるくらいのペースが最適です」。速いペースで短時間で終えるよりも、遅いペースで長持聞続ける方が効果的だという。

足を引き上げる動きには、太ももの前側の「大腿四頭筋」やお尻の「大殿筋(大臀筋)」、などの筋肉を使う。これらの筋肉は加齢とともに衰えやすく、転倒や寝たきりにもつながるという。両足をそろえたタイミングで、ひざをピンと伸ばすように意識すれば、ひざ周りの 筋肉も鍛えられる。

効果はまだある。「着地は、自然に足指の付け根からになる。そうするとひざが正しい位置に誘導される」と田中教授。こんな調査結果がある。福岡大身体活動研究所が、ひざや腰な どに痛みを感じる高齢者(平均75歳)の約60人にスローステップに取り組んでもらった。12週間後の調査で、87%が「痛みが和らいだ」と答えた。骨格のゆがみが改善され、関節を支える筋肉が強化された結果と考えられるという。

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さらにダイエット効果も期待できる。大腿四頭筋など大きな筋肉は、エネルギー消費量も多 い。ウォーキングで多くのエネルギーを消費しようとすると、かなり速く歩かなければならない。時速6`以上を目指すと、相当きつい運動になる。「長距離を移動する狩猟採集に合っ た、省エネの移動方法がウォーキング」というのが田中教授の持論だ。

記者も生活のなかにスローステップを採り入れてみた。利用したのは自宅の玄関の段差。1 日30分が目安だが、細切れでも効果はあるそうなので、まずは歯を磨きながらの昇降運動を習慣にした。1週間ほどで動きに慣れてからは、本を読んだり、携帯電話のゲームをしたりしながら、1日30分〜1時間。適度な疲労感で眠くなるので、就寝前の晩酌がかなり減るという思わぬ効果も。ジョギングもスポーツジム通いも続かなかった記者だが、気が付けば、3週間で2`近い減量に成功していた。(渡辺芳枝)

[インフォメーション]

田中教授が開発に加わったステップ台は、コナミスポーツ&ライフ(0120・808・160)で購入可能。ガイド本などが付いて8424円。田中教授は時速4〜5`で走る「スロージョギング」 も薦めている。歩幅を狭め、歩行者を追い越さない速度で走るのがコツ。教授白身も、約3カ月のスロージョギングで8`減量したそうだ。




(出典:朝日新聞、2015/01/17)

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