【「安眠ストレッチ」で緊張ほぐし、ぐっすり ベッドでゆっくり5分間】

日一日と寒さが深まる中、寒さのせいか寝付きが悪くなったり、夜中に起きてしまったりと いうことがあります。ぬるめの風呂に入って体を温めるほか、寝る前の「ストレッチ」を日課にして、より快適な睡眠を得ることを目指しました。

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眠くなるときは、活動時に活発に働く交感神経ではなく、リラックスした状態をもたらす副 交感神経が優位となる。 「ラジオ体操のような負荷の高い運動をすると、交感神経が働いてしまう。眠る前は意識的にゆっくりと呼吸をしながら、ゆっくりと体を伸ばす静的なストレッチをお勧めします」と石井直方・東京大生命環境科学系教授(筋生理学)は説明する。

特に腰回りや太ももの裏など、大きい筋肉の虞張状態をほぐすのが効果的という。長時間のストレッチは必要なく、5分程度で十分という。寝る前に簡単に採り入れられる四つのスト レッチを習った。

まずは楽な姿勢で座り、肩周りをほぐす。両手の指先を肩につけ、クロールを泳ぐように腕 を回すことで、肩甲骨の筋肉を緩めることができる。前後10回ずつ程度でいいという。

次いで、背中の筋肉のストレッチ。両ひざを曲げて座る「体育座り」の格好をして、両手を ひざの裏で組み、おへそを見るように背中を丸める。これを20秒間ぼど続ける。

次は太ももの後ろの大腿筋のストレッチ。年を取るにつれ、固くなる部位だという。片足を 前に伸ばし、もう片足はあぐらをかくように曲げておき、股関節から上体を倒して20秒キープする。これを左石交互に行う。

最後はごろんと寝転んで仰向けになって両手を広げ、両ひざを立てる。ゆっくりとひざを石 に倒し20秒、その後、左に倒し20秒伸ばす。

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「そのまま眠れるようにベッドの上などで行うことを勧めます」と石井さん。呼吸は、筋肉 を伸ばすときにゆっくりと吐き出す。無理して伸ばす必要はなく、自分が気持ちいいと思うぐらいの加減がちょうどいいという。毎日続けることでリラックスするだけでなく、確実に柔軟性も増すという。

埼玉県立大の北島義典准教授(健康行動科学)は、平均年齢70歳の女性31人を二つに分け、 一方には寝る前に5〜10分のストレッチと日中の散歩を4週間続けてもらい、何もしなかった 人と比べた。その結果、睡眠の途中で起きてしまう時間は、ストレッチをした人の方が短かった。40〜66歳の女性40人を対象とした別の研究では、寝る前のストレッチを3週間続けると、寝付きが10分弱早くなった。北島さんは「夜になると人間の体温は下がるが、ストレッチにより少し体温が上がる。その後の下げ幅が大きくなるので、眠くなるのではないか」と話す。

ストレッチを実践してから、以前よりぐっすり眠れる日々が続いている。(岡崎明子) [インフォメーション]

簡単にできるストレッチをもっと学びたい人向けには、「【日めくり】体が硬い人のためのストレッチ」(PHP、1080円)がある。「寝たまま全身ストレッチ」(ベースボール・マガジン社、972円)には、DVDもついている。各社から、ストレッチの動画を収録したスマートフォン向けアプリも提供されている。




(出典:朝日新聞、2014/12/20)

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