【体の潤滑油タウリンを効率よくとる 貝やイカ・タコに豊富】

ドリンク剤の成分としてよく耳にする「タウリン」。体調を整える様々な働きがあるそうで す。タウリンは私たちの体内でも作ることができる物質ですが、ふだん口にする食品では、 魚介類に特に多く含まれているといいます。

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タウリンはアミノ酸に化学構造が似た物質で、1827年に牛の胆汁から見つかった。私たちの体のいたるところに含まれており、その割合は体重の約0・1%。体重60`の人だと60cぼどになる。部位別では、心臓や筋肉、肝臓などに多く分布している。

「体全体の機能を整える、潤滑油のような働きをする物質です」。タウリンの働きについて、中部大学の横越英彦教授(栄養化学)はそう説明する。

横越さんらの研究チームは、高コレステロール食で飼育し、血中のコレステロール値を上昇 させたラットを使って実験。タウリンをエサに混ぜて食べさせると、悪玉コレステロールが統計的に有意に減少することを確認した。

横越さんによると、このほかにも、心臓の筋肉の細胞の働きを保つ、肝臓の細胞を保護する、目の角膜や網膜の機能を維持するなど、タウリンの持つ多鹿瀬機能が報告されているとい いう。

タウリンは私たちの体内で合.成できる物質だ。ドリンク剤も良いが、ふだんの食事でたんばく質をしっかりとれば補うことができる。

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タウリンを効率良く摂取するには、魚介類がおすすめだ。カキやホタテなどの貝類、イカや タコなどの頭足類は、魚介類の中でも含有量が比較的多い。

食品中のタウリン含有量については様々な報告例があるが、その数値は一定ではなく、季節 や産池などによっても変わることがある。たとえば、汁物でおなじみの二枚貝シジミの場合 は、生息域によってタウリンの含有量に違いがある。淡水域に生息するものに比べて、塩分の高い汽水域のものはタウリンの含有量が多い傾向がみられるという。

また、二枚貝のカキでは、殻付きのものに比べて、むき身で売られているものはタウリンが 少ないという報告がある。タウリンは水に溶けやすい性質があり、むき身にして水につけたままにすると、タウリンが身から溶け出してしまうようだ。

タウリンは魚にも含まれ、同じ魚でも部位によって含有量は異なる。カツオの場合、100cあたり164_グラムという報告があるが、赤い「血合い肉」は特に豊富で同832_グラムにのばるという。

私たちの体調を整えてくれるタウリンの様々な機能について、今も研究が続いている。横越さんは「近年、日本人の魚離れが指摘されている。タウリンが豊富な魚介類をもっと積極的 に食べてみては」と話す。(山本智之)

 [インフォメーション]

タウリンは母乳にも豊富に含まれ、赤ちゃんが成長する上でも大切な成分と考えられるという。ドリンク剤などを作っている大正製薬のサイトでは、これまでに発売した製品の紹介(http://www.taisho.co.jp/company/release/1997/041697-j.htm)の中で、参考資料として 「タウリンとは」という項目を設けて説明している。




(出典:朝日新聞、2014/12/06)

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