【気軽に「フリースタイルフットボール」 全身運動、脳へも刺激】

「フリースタイルフットボール」という競技をご存じですか? 簡単に言えば、音楽に合わ せてサッカーのリフティングをすることです。大道芸にルーツを持ち、足だけでなく、からだ全体を使ってボールを自在に操ります。ボールとちょっとしたスペースがあれば1人でもできることから、手軽なエクササイズとしてもおすすめです。

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10月中旬、秋晴れの埼玉スタジアム。その脇にある広場で、フリースタイルフットボール教 室「ブカツ」が開かれた。親子連れに指導しているのは、日本でのこの競技の草分けである 「球舞」(きゅうぷ)のメンバー。その一人のTo−ruさん(28)に指導を受けた。

最初に、「ストール」と呼ばれる基本技を教えてもらった。まず、手本を見せてもらう。手 で投げたボールを足首のあたりでキープするのだが、吸い付いているように動かない。「最初は3秒間でいいんで、がんばってみてください」。簡単そうに見えたが、やってみると難し い。まず、ボールを受け止められない。「足のひざでショックを吸収して」と指導され、ひざをカクカク曲げながら、何度も繰り返した。5分ほど悪戦苦闘し、なんとか目標を達成。それだけで額に汗が浮かんできた。

「意外と、足に来ているでしょ」。激しい運動とは感じなかったが、言われてみると、確か にちょっとした張りが股関節周りや太ももに残っていた。To−ruさんは、首のあたりで受け止めるネックキャッチや、足の裏でのストールも披露してくれた。「毎日続ければできるよ うになりますよ」。翌日、軽い筋肉痛が襲ってきた。

フリースタイルフットボールについて、さいたま市を中心にスポーツジムを展開する「ラダ ースポーツ」のトレーナー、高見哲さん(40)は「ジム泣かせ」だという。その理由は大きく分けて二つあった。

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一つは手軽さだ。「運動は定期的に続けることが大事。フリースタイルならボールが1個あ れば高架下の広場でもできるから、継続しやすい。お金もかかりません」。確かにコートを予約する必要もないし、畳1畳ほどの空間があれば練習できる。

二つ目は「けがのリスクが低いこと」だという。「器具で負荷をかけるトレーニングは関節 をけがしやすい。サッカーボールならほとんど重さを感じない」と高見さん。ジムで取り入 れているメニューでは、同じような筋肉しか鍛えられず、関節も同じ方向にしか動かない。フリースタイルならボールに合わせて動くから、使う筋肉の種類も増え、関節の可動域も広がる。動きの組み合わせが自由だからこそ、全身運動になる。

さらに、片足での動作はバランス感覚を養い、脳への刺激にもなる。「簡単な動きなら、年 配の方にもおすすめできます」と高見さんは太鼓判を押す。(小俣勇貴)

 [インフォメーション]

日本フリースタイルフットボール協会のホームページ(http:www.jffa.jp/)では、約40種類の技を動画で閲覧することができる。また、子どもから年配の方まで誰でも無料で参加でき、「球舞」のメンバーに指導を受けられる月に1度のフリースタイルフットボール教室「ブカ ツ」の日程や場所も掲載している。




(出典:朝日新聞、2014/11/15)

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