【「ココナッツオイル」の有効成分に脚光 食事にちょい足しで効果】

南国を連想させるココヤシの実からとれる「ココナッツオイル」。日本ではまだ、あまりなじみがない油ですが、料理などで使うと、他の食用油にはない、体によい効果があることが分かってきました。

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高さ約30bのココヤシの木になる実の白い果肉(胚乳)をしばった液体を「ココナッツミルク」という。胚乳を細かく砕いてパン粉のようにし、圧力をかけてしばるとできる。エスニック料理によく使われるほか、飲料やデザートなどで、日本でも売られているので、こちらはおなじみだ。

ココナッツミルクから水分を除いた、透明な油分がココナッツオイル。タイやフィリピン、スリランカなど、日本で流通しているココナッツオイルの主な産地である東南・南アジアの各国では、料理の炒め油や揚げ油によく使うという。

ココナッツオイルは、脂質を構成する「飽和脂肪酸」のうち「中鎖脂肪酸」というタイプが、他の食用油に比べて豊富に含まれている。

飽和脂肪酸といえば、肥満の原因になるとして悪者扱いされがちだが、それは動物由来の脂質に多く含まれる「長鎖脂肪酸」の話。ココナッツオイルの中鎖脂肪酸は、長鎖脂肪酸に比べて、体の中で中性脂肪として蓄積されにくい。

順天堂大の白沢卓二教授(加齢制御医学)は「中鎖脂肪酸は、母乳にも含まれる成分で、さまざまな体によい効果がある」と語る。中鎖脂肪酸は肝臓で分解されて、ケトン体という物質になる。ケトン体は、ブドウ糖と同様に、脳のエネルギーになるという。

さらに、最近の研究で、体内の細胞の老化を防ぐ効果も期待できることが分かってきた。ケトン体を構成する主な物質が体内の活性酸素を無害化する酵素を活性化させていると考えられる。2013年、こんな論文が米科学誌サイエンスに掲載された。

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使い方のポイントは「ちょい足し」だ。中鎖脂肪酸は、摂取後、約3時間で分解のピークがくるとされ、朝にコーヒーや紅茶などの飲み物に、クリーム感覚でひとさじ分入れると、栄養補給にもなっていいという。

炒め物では、パスタを炒めるときに使うと、さわやかな香りづけができる。香りが苦手でも、麻婆豆腐を炒めるときに使うと、野菜や豆板醤の香りで食べやすくなるという。

銀座メディケアガーデンクリニックの佐野正行院長は「普段使っている植物油やバターをココナッツオイルに変えてみる感覚で使うとよい」と話す。

ココナッツオイルは、精製時に有効成分が少なくなっているものもあり「有機タイプ」を選ぶとよりよい。また、油なのである程度のカロリーがある。体にいいからといっても、取りすぎには気をつけた方がよさそうだ。(今直也)

 [インフォメーション]

白沢教授の監修する「ココナッツオイルでボケずに健康」(主婦の友社)では、ココナッツオイルの健康効果や料理などを、分かりやすく紹介している。ココナッツオイルを輸入販売しているブラウンシュガーファースト(03・3479・6999)のホームページ(http://www.bs1stonline.com/)で、購入できる店舗が分かる。





(出典:朝日新聞、2014/09/06)

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