【「深部体温」を下げ、猛暑でも快眠 ノンレム睡眠狙い、冷房
】
厳しい暑さで疲労がたまる時期。熱帯夜でもぐっすり眠れてすっきり起きられる
快眠法を探ってみましょう。
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寝付きを良くするためには、手足や皮膚から放熱して体の中心部の温度(深部体温)を下げ
ることが大切。人間の深部体温は、夕方が最も高く、深夜から明け方にかけて1〜2℃下がる。体温が下がり始める夕方か
ら夜にかけて、眠くなると手足がばかばかしてくるのは、そのためだ。
だが、夏は暑さや高い湿度で、放熱しにくくなってしまう。そこで、床に就く2時間ほど前に20分程度、ぬるめのお湯で入浴したり、軽く汗ばむ程度のストレッチをしたりして血行を良くして放熱を促すといい。
適度な室温も大切だ。「我慢せずにエアコンを活用してぼしい」と、雨晴クリニック(富山
県高岡市)で睡眠障害を診察する医師で、情報サイト「オールアバウト」の睡眠ガイドを務める坪田聡さんは辞す。
冷風を体に直接当てずに、寝る前に部屋全体の温度を下げておくのがコツ。節電で日中は28℃に設定している人も、快適に
眠れるよう、夜は26℃をすすめる。「28℃では寝るにはやはり暑い。節電が気になりますが、夜は電力のピークではないし、
ぐっすり眠って日中節電することにしましょう」。
朝までつけっばなしに抵抗がある人や冷房が苦手な人は、眠りの深いノンレム睡眠が多く現れる3時間程度、タイマーを使
おう。扇風機を併用すれば、効率よく冷気が循兼する。氷枕などで頭を冷やすのもいい。
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朝まで熟睡できるかどうか、痩ている間の感覚や環境にも左石される。夏は、汗による不快感で頻繁に寝返りして眠り
が浅くなったり、目が覚めたりしてしまう。
それを防ぐためには、汗を吸収、発散する素材のシーツやパジャマを利用しよう。苦から使れている麻や寝ござなどのほ
かに、吸湿・速乾機能や冷感をうたった衣類、敷きパッドなどが売られている。
それでも熱帯夜が続くと、寝不足が心配になる。大阪回生病院(大阪市)睡眠医療センターの谷口充孝部長は「そもそも夏
は日照時間が長く、睡眠時間は短くなる」と話す。だが、日中に眠気で仕事などに支障がでるのでなければ、時間そのものは \
特に心配する必要はない。
「5時間ぐらい眠れば十分な人もいれば、9時間以上寝ないと調子が悪い人など、必要な睡眠時間は人それぞれ。年をとる
と睡眠時間は短くなる」。各国の論文をまとめた研究では、夜の実際の平均睡眠時間は25歳で約7時間、45歳で約6・5時
間、65歳では約6時間だった。
遅くまで眠くならないことを気にして無理に寝ようとしたり、昼寝をしすぎたりすると、熟睡しにくい。眠くなったら寝
床に入るようにしよう。(朴琴順)
[インフォメーション]
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042749.html)で12のポイント
を紹介。「快眠推進倶楽部」のサイトでは、世界保健機関(WHO)の不眠症判定法(http://www.kaimin.info/part/check/check.html)で、自分の状態をチ
ェックできる。

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(出典:朝日新聞、2014/08/02)
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