【「貯筋」運動で無理なく筋肉量を維持(2)】
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運動の効果も調べている。座り立ちの運動を10回やるのに60秒かかった85歳の男性が3カ月で2・0秒に縮まった。杖をつかないで歩けるようになり、歩く速さが速くなったという。腹筋が厚くなる効果なども複数の人でみられた。
筑波大学の山田実准教授(老年学)は、「筋肉は毎日合成と分解が繰り返されている。高齢
者で筋肉が減るのは合成と分解のバランスが崩れるからです」と説明する。加齢で筋肉の合成を促す成長ホルモンの分泌が減る。また、肥満で脂肪が増えると筋肉の分解を促す物質が増える。もっともいいのは運動だが、運動をするのが難しい人もいる。山田さんは「一日の歩数を記録し、1カ月平均の歩数を毎月10%増やすだけでも効果があります」と勧める。
たんばく質やビタミンDの多い食事を取るのもいいという。肉、魚、大豆食品などだ。「欧
米では肉控えめが健康にいいとされるが、日本の高齢者はむしろ肉が足りない」とみている。(鍛治信太郎)
[インフォメ−ション]
健康・体力づくり事業財団の貯筋運動プロジェクトのサイト(http://www.health^net.or.jp/tyousa/tyokin/index.html)には運動の動画や貯筋通帳の使い方の説明があり、やり方を学ぶことができる。
また、全国約40カ所にある貯筋運動を教わることができるスポーツ施設を紹介している。
前を見る(1)⇒【「貯筋」運動で無理なく筋肉量を維持(1)】
(出典:朝日新聞、2014/07/05)
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