【急増する単身赴任 健康を保つには(2)】

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一方、突然の病気への備えなど危機管理も大切だ。「失敗しない単身赴任マニュアル100」の著者、大庭夏男さんは約9年、単身赴任の経験がある。ちょっとした風邪に備えて近くの診療所を把握するだけでなく、万が一、出先で倒れた場合を想定し、家族の連絡先を常時携帯することを勧めている。

家族が赴任先の土地勘を養っておくことも、いざという時に大事だという。慌てて病院に行 く際、どこにあるのか全く分からない、という状況は避けたいからだ。「赴任先に遊びに行けば、生活ぶりがわかるし土地勘もできる。家族間のすれ違いの防止にもつながるのでは」

もちろん単身赴任はつらいことばかりではない。赴任先の食材を味わう楽しさもある。古くは江戸時代にも、赴任先で「食」を楽しんだ達人がいたので紹介しておこう。

幕末、江戸に単身赴任していた紀州藩の下級武士、酒井伴四郎が残した家計簿には、かつお やどじょう、たけのこなど、季節の食材の購入記録が残っている。こうした食材を赴任先で自ら調理し、仲間と食べることを楽しみにしていたらしい。

学習院大非常勤講師の青木直己さんによると、伴四郎はいわしや豆腐など、安い食材のやり くりが上手だったという。「健康とお金を守りながら楽しんでいたようです。この前向きな姿勢、現代のサラリーマンにも参考になるかも知れません」(野瀬輝彦)

[インフォメーション]

大庭さんが自らの単身赴任生活を紹介しているブログ「The!・単身赴任・生活」(http://blog.livedoor.jp/tanshinma.jp/tanshinma20)は、手軽な料理方法や節約のコツが書かれており参考になる。また、青木さんの著書「幕末単身赴任 下級武士の食日記」には、食事情を含む江戸時代の単身赴任生活が克明に描かれており興味深い。

前を見る(1)⇒【急増する単身赴任 健康を保つには(1)】




(出典:朝日新聞、2014/06/21)

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