【気になるへそのゴマ、取ってもいいの?(2)】

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そもそも、へそのゴマとは何なのか。「へその皮膚から落ちてくる角質に、皮脂などの油分が一緒になり、あかとなってかたまったものです」と住吉皮膚科(東京)の住吉孝二院長は言う。汚れもつくので臭っぼくなり、ゴマのように見える。

見た目に美しくない。だから、ついつい取りたくなる。ただ、ちょっと待って。へそは腹膜に接していて、腹膜のすぐ下には腸がある。あまりいじくると腸を刺激してまうこともあるという。そうするとおなかが痛くなってしまう。

「必ず取らなくてはいけないというものではない。無理に取ろうとして、腹膜を刺激してしまうことのほうが心配」と住吉さん。細菌が繁殖することで臭いの原因にもなるが、普段は入浴の際にせっけんなどの泡でやさしく手洗いしてあげれば十分。刺激の強いナイロンタオルなどは避けたほうが無難だ。

ただ、十分に洗い落とせず、長年放置されたままだと、あかがかたまって石のようになってしまうこともある。「臍石(さいせき)」と呼ばれる。へそを洗ってはいけないとの教えを守って、黒いかたまりがへそからのぞいたことに驚いて、皮膚科を受診する人 もいるそうだ。

医療の学会誌での報告もある。「臨床皮膚科」(2007年7月)で、静岡市立清水病院の杉浦丹(まこと)副院長(皮膚科)が報告した30歳男性のケースもそのひとつだ。

へそ周辺の痛みに加え、腫れや赤みを訴えて受診した。黄色っばいうみも出ていて、炎症の確認ができた。入院してへその下を少し切り開き、連日洗浄を繰り返したところ、4日目に人さし指の爪ぐらいの大きさの臍石が出てきた。その後、炎症は急速に改善したという。

杉浦さんによると、臍石によってへその穴がふさがり、細菌感染を悪化させた可能性があるという。臍のすぐ下は腹膜なので、臍の炎症は腹膜炎に進む恐れもある。腹膜炎になると腹痛や発熱などが起きうる。

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(出典:朝日新聞、2014/04/19)

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