【アスリートゴルフが活力に】

周りからよく不思議がられるのですが、私はこれまで、肩こりや腰痛を感じたことがありません。

小学校6年生から大学までの11年間は、バスケットボールー色の生活を送っていました。私は松江市の出身ですが、当時の島根県の高校バスケは、全国でもトップクラス。私が2年生の時にはインターハイに出場し、準決勝まで進みました。練習はとてもハードでしたが、60代になっても肩こりすらなく健康なのは、学生時代に培った体力や筋力の恩恵だと思っています。

社会人になってからは、自分の時間の中でも大きな割合を占める仕事の時間をいかに充実して過ごすかということを大切にしてきました。仕事での充実感が、心身の健康に与える影響は大きいと思うからです。幸い、良き先輩や仲間、後輩に恵まれて、仕事が自己実現の時間にもなってきました。

とはいえ、ストレスを感じることもありました。ソニーとエリクソンの合弁会社、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ・エー・ピーの社長として英国に赴任した当時は、21カ月という長期にわたって利益が出せず、精神的につらい時期を過ごしました。ロンドンを拠点に平日は飛行機で飛び回るため、肉体的にも消耗していたのですが、そんな時期を支えてくれたのが、英国に赴任している仲間との週末のゴルフでした。

英国でのゴルフはカートに乗らず自分の足で回るので、かなりの運動量になります。その運動と、プレー後の仲間との食事がいい気分転換となり、仕事に向かう活力にもなったのです。その後に業績は急回復し、結果を出すことができました。当時の苦労をともにした仲間とは、今でも1年に2回のラウンドが恒例行事になっています。

私は自分のゴルフスタイルを「アスリートゴルフ」と呼んでいます。プレーを楽しむ一方、スコアにもこだわる。「競技」としてのゴルフが好きなんですね。1カ月に3回程度はコースを回りますが、メンバーより1時間半ばど早く到着して真剣に練習をしているので、よくあきれられてしまいます。

飛距離でストレッチ効果を実感
気心の知れた仲間とプレーするだけでなく、ゴルフクラブが企画している競技会にも参加しています。スコアを競うことばもちろん、普段は全く違う仕事をしている人たちと交流できることも、精神的な刺激になっています。

先頃、競技会で一緒に回った人に「最近、飛距離が落ちた」と話したところ、足腰や体幹、胸回りなどのストレッチを勧められました。早速実践しているのですが、まじめにやると、かなりき つい。しかし、このストレッチを続けることで体の可動域が広がって、飛距離が10ヤードほど伸びました。これはうれしかったですね。

これからも鍛錬を続け、シングルプレーヤーを目指したいと思っています。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2013/09/30号、井原 勝15:13 2013/09/27美=ソニーフィナンシャルホールディングス社長、ソニー生命保険社長]

[写真:山田 慎二]

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