【ストレスを抱えやすい性格】

几帳面な性格で人づき合いもいい新入社員のKさん(23歳)は、配属先で歓迎され順調なスタートを切つた。ゴールデンウイークには帰省してのんぴり過ごしたという。だが、連休明けの3日目、思わぬ寝坊をして、休んでしまう。その頃から、理由もなく仕事に嫌気を感じて、毎朝、憂 うつになると、相談を受けた。

連休明けに心身のスランプに陥ることは、私にも経験がある。一方、休暇でストレスを解消し、元気を取り戻す人も多い。休み明けの表情は人それぞれだ。

私はストレスを抱えやすい性格を次の3つのタイプに分類している。

1つ目は「メランコリータイプ」。完壁さを求めて計画を立て、地道にプロセスを改善するのが得意だ。他人によく気を使うし、集団行動も苦にならない。安定した環境があればチームの中で力を発揮する。日本の発展を支えてきたタイプの性格と言える。

弱点は、秘めたる頑固さや変化を嫌う傾向があるのに、周囲に合わせようとしてストレスがうっ積することだ。突発事項やミスもストレスと感じてしまう。昇格、転勤、リストラ、定年など、 良くも悪くも変化があった3カ月目や、季節の変わり目は注意が必要だ。

Kさんはこのタイプで、仕事やキャリアには偶然や唾昧さを受け入れることが大切だと話し、日記で振り返りの習慣をつけることも勧めた。

管理職に多い「執着タイプ」
2つ目の「執着タイプ」はこだわり派の性格だ。職場では熱血漢として頼りにされもする。しかし、結果に執着しすぎて自ら心身に負荷をかけ、気づかぬうちに過労や睡眠不足で燃え尽きることがある。成果主義の評価制度などがその一因になり得る。ストレスから暴飲暴食に走ることで、メタポリック症候群(内臓脂肪症候群)にも陥りやすい。

対策としては、ワークライフバランスやリラクセーションを習慣づける研修を実施していくといい。このタイプの管理職がイライラするようになった時は、欧米のようにエグゼクティブコーチングの実施などが有効だろう。

3つ目は若い世代に多い「自己愛・依存タイプ」である。現代の家庭や学校では過保護、過干渉になりがちで、それが依存体質へとつながりやすい。そうした環境では失敗する、叱責されるといった経験も乏しいため、就職してから問題が生じることになる。また、個性や自分磨きを重視する風潮の中で、自分のやりたいことや適性へのこだわりが強くなると、実際の仕事にミスマッチを感じて折れてしまう。

職場では新人にもメンタルタフネス(ストレス耐性)教育を行うことが対策となる。

これからの人材開発戦略では、こうした心理学を加味したイノベーションが必要だろう。

[出典:日経ビジネス、2013/05/20号、渡部 卓=ライフバランスマネジメント研究所代表]

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