【「4つのR」でストレス予防】

> 工場のエンジ三ア勤務だったAさん(38歳)は、6月から中国との合弁会社への転勤が決まった。Aさんは仕事については自信もあり不安はない。ただ、中国での生活環境を想像するとやはり不安になる。イライラしたり、頭痛や不眠に陥ったりすることが多くなってきたように感じている。妻も不安を口にし始めたことが、カウンセリングに出向くきつかけとなった。

4月は異動や転勤、出向をきっかけに、心身の不調を訴える社員が増える傾向にある。特にゴールデンウイークを境に「五月病」と言われる不調に陥ることが多いので注意が必要だ。

中国には魅力も多い一方で、駐在員のストレス負荷も大きい。駐在員の酒量は、それまでの3倍にもなるとのデータもある。私はAさんに赴任前に、ゴールデンウイークを利用して「4つのR」に基づいたストレス予防のためのマイリスト作りを勧めた(図参照)。

4つのRとは、「リラクセーション(Relaxation)」「レスト(Rest)」「レクリエーション(Recreation)」「リトリート(Retreat)」の頭文字を取っている。

リラクセーションは神経をしっかり休めること。頭痛や不眠、イライラは自律神経のアンバランス状態が原因という。緊張させる交感神経、リラックスさせる副交感神経のバランスを整えるのがリラクセーションだ。

レストは肉体をしっかり休めることを意味する。レクリエーションは遊ぶ、楽しむ、笑うこと、気分を変えることだ。これは職場でも大事なことだろう。

リトリートは普段とは場所を変えてじっくりと静養、保養をすること。都会や日常の仕事場から遠方へ離れ、山、高原、海岸の温泉などで連泊し、非日常に身を置き心身を養生する。森林セラピー基地などが全国に点在しているので活用するのもいいだろう。

ストレス解消法を見直す
読者の皆さんは、どんなストレス解消法をお持ちだろう。管理職セミナーで尋ねると、アルコール、たばこ、ギャンブル、週末の寝だめなどが並ぶ。どれも少量、適度であれば効果も期待できるだろう。しかし、大ストレスの時代では、これらの定番につい頼りがちになる。そしてそのことが、過労やうつ、不眠を逆に悪化させたり、依存症状態になったりすることもある。

そこで、4つのRからそれぞれ1つずつ、自分でリストを作ってみよう。

先日、ある企業幹部が集まるセルフケアセミナーで、4つのRのリスト作りをグループワークで実施した。ウクレレに挑戦する、東日本大震災の被災地でリトリートする、妻と一緒にアロマセラピーを始める、家庭菜園に励む、陶芸にトライする…。最初は険しい表情だった企業幹部たちも、グループ議論では大いに盛り上がった。

このゴールデンウイークにはぜひ、自分で作ったリストを実行してみてほしい。

[出典:日経ビジネス、2013/04/16号、渡部卓=ライフバランスマネジメント研究所代表]

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