【趣味のバンドを真剣こ】

高校時代はレッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどの70年代ロックをよく聴いていて、1年生の時に自身もロックバンドを結成。大学時代は東京・六本木の「S−KEN」や新宿の「LOFT」、渋谷の「屋根裏」といった名の知れたライブハウスでライブもしました。就職後はプロのアーティストのアルバム録音に参加したこともありますが、次第に仕事が忙しくなると、続けられなくなりました。

それが、30代後半になって当時の仲間と集まる機会があり、バンドを再結成しました。メンバーは5人。私は主にギターとボーカル担当です。

皆それなりに責任を担うビジネスマンなので、全員が揃って練習する時間はなかなか取れません。休日に集まれる時は、集中して5〜6時間に及ぶこともあります。練習中は和気あいあいという雰囲気ではなく、非常にシビア。演奏のこと以外は考えませんし、互いに意見を戦わせることもあります。ただ、結果的にはそれでまとまる。何とも不思議なのですが、高校時代を共に過ごした仲間だからこそ、言いたいことが言い合えるのかもしれませんね。

自宅で練習をしていると、家族は迷惑そうですが、私がメンバーとの練習に向かう時は背中が生き生きしているそうで、「指を使うと認知症の予防になっていいね」とも言われます(笑)。

ライブをずっと続けていきたい
毎年5月の日曜日の午後に、東京の表参道でライブをしています。メンバーの家族や友人、会社の同僚や後輩など100人くらいの観客が集まって、酒や食事も楽しんでもらいながら、長時間にわたって盛り上がります。ステージでは全力を出し切って、その日が終わると燃え尽きてしまうくらい、満足感や達成感がありますね。

音楽には無駄が一切ありません。それぞれが奏でる楽器の音が相和して、1つの曲を作り上げます。ビジネスもそうあるべきでしょう。様々な個性が、富士ゼロックスのDNAに相和していけばいいと思いますね。

私はもともと、社外の人と交流を持つよう意識してきました。そうすることで刺激を受け、視野も広がる。会社や仕事とは最も関係の遠いところに位置しているのが、バンド活動です。メンバーとは、練習中はもちろん、練習後の飲み会でも、仕事の話はめったにしません。とにかく演奏の話が中心で、お互いの近況もよく知らない。とはいえ、ライブという共通の目標に向かって、真剣に、確実に仕上げていく様は、仕事とは全く違うようでいて、共通する部分もあるような気がしますね。

これから5月のライブに向けて、練習にも熱が入ってくる時期です。今年はバンドを再結成してから、10回目の記念ライブ。メンバーは皆50代半ばを迎えていますが、このライブを毎年続けていくためにも、健康でいたいと思っています。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2013/03/04号、三宅 達也=宮士ゼロックス執行役員]

[写真:山田慎一]

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