【ジョギングの安全な始め方】

今年からジョギングを始めたいEさん(48歳)。しばらくスポーツから遠ざかっており、けがをしないかも心配だ。ビギナーはどんな点に気をつけて走ればいいだろうか。

ジョギングは有酸素運動であり、特別な施設や用具が必要なく、自分のペースで走れるので、継続しやすい。代謝を上げて余分な脂肪を燃焼させ、心肺機能の働きも向上させる。

ジョギングを始めようと思い立った時、まず考えるのはシューズやウエアの購入だろう。地面を蹴る時に足裏が反る位置は人によって異なる。この位置がシューズのソールの反り方と合わないと足裏や甲が痛くなり、痛い部分をかばうために膝や股関節、腰を痛める原因になる。最近のジョギングやランニング用のシューズは、ソールが複数の位置で曲がるように工夫されているが、購入の際は実際に履き比べて選んだ方がよい。アスファルトを走るのか、土や芝生の上を走るのかということも考慮する必要がある。

ウエアに関しては、この時期なら保温性に優れ、汗をかいても体が冷えないものを選ぶ。走る時の体の動きをサポートしてくれるランニング用のアンダーウエアもある。

そのほかのグッズも含めて一式揃えるとそれなりの出費になるが、「買ったからには走らないと」とモチベーションを高める面もある。形から入るのも悪くないと思う。

無理をせず継続を第一に
走る前には筋肉や関節をよく伸ばすことが、けがの予防の観点から不可欠だ。特に初心者が痛めやすいアキレス腱、太ももの裏側、股関節、お尻などのストレッチを入念に行いたい。

しばらく運動から遠ざかっていた人は、ウオーキングから始めるのが無難だ。いきなりハードに走ると、肉離れやアキレス腱断裂、さらに心臓に過重な負荷がかかってしまうこともある。

最初の1週間は歩く。歩くのに慣れたら途中で軽く走ってみる。それにも慣れたら軽いジョギングに切り替えるというように、徐々に体を慣らしていくといいだろう。

最初のうちは物足りない程度の距離にとどめておく。走るスピードも、周りの景色を見て楽しめるぐらいを目安にする。

走り慣れてくると距離も時間も一気に延ばしたくなるが、疲労が残っている状態で負荷を上げると、けがにつながりかねない。レベルアップをするなら1週間ごとの単位で考えて少しずつ体を慣らし、疲労が取れてから次のレベルへ進むようにする。

週に2〜3回走れれば理想的だが、週1回でも月1回でも構わない。続けることが何より大切だ。続けるということを前提にして、自分にとってどれぐらいのペースなら適切かを考えるといいだろう。

走り終えたら、再度ストレッチを行ってクールダウンを図る。走った後にしっかり筋肉を伸ばした方が老廃物の排泄が促され、筋肉もつきやすいと言われている。
(談話まとめ:繁宮 聴=医療ジャーナリスト)

[出典:日経ビジネス、2013/01/14号、寺尾 友宏=プライマリ整形外科麻布十番クリニック(東京都港区)院長]

[イラスト:市原すぐる]

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