【食事は未来の自分への投資】

高校生の時の交換留学も含めると、日本在住歴は17年目になります。私は2004年からミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントとして日本代表を指導してきましたが、伝統的な日本食は世界一、栄養バランスに優れた食事だと思います。特に、焼き魚に卵焼き、納豆や野菜のおひたし、味噌汁にご飯などが並ぶ旅館の朝食は本当に素晴らしい。でも、最近は朝食を食べない人や、パンだけで済ませる人も多く、とても残念に感じます。

私はどんなに忙しくても、1日3食欠かさず食べます。朝食は特に大事で、たんばく質を必ず取るようにしています。たんばく質は血糖値の上昇を緩やかに保ち、食欲を抑えて気分を安定させ、集中力も高めます。朝食を抜いたり、パンだけでたんばく質を取らなかったりすると、血糖値が急降下するため、イライラして気分が不安定になったり、甘いものが食べたくなったりして、過食や肥満につながりやすくなります。ですから、ビジネスパーソンの皆さんには、たんばく質の入った朝食を必ず取ることをお勧めします。

昼食でもやはり、たんばく質を取った方がいいですね。昼食後に眠くなるという人は、パスタやうどん、牛井といった炭水化物中心の1品料理を食べていることが原因かもしれません。炭水化物がメーンの食事は、たんばく貿とは逆に、精神を安定させるセロトニンという神経伝達物質を作るので、眠たくなってしまうのです。例えば、うどんよりもそば、牛井よりも魚定食というふうに、炭水化物を控えて良質なたんばく貿の多い食事を選べば、午後も集中力の継続が期待できます。

また、たんばく質は肉よりも魚で取つてほしいと思います。魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、新陳代謝を活発にするので、健康的な体形を維持しやすくなります。男性は吸い込むように急いで食べがちですが、これも太りやすくなるので、よく噛んで食べる習慣をつけるといいでしょう。

完壁にできなくても大丈夫です。選択肢があればより良い方を選ぶようにするだけでも、変化してくるはず。それが、未来の自分への投資につながるでしょう。

人生を楽しみ、成長し続ける
7時間以上の睡眠を取ること、自分のための時間を持つことも大切にしています。睡眠や趣味の時間をしっかり取った方が、ホルモンバランスが整い、生産性や創造性も高まります。特に男性は「cave time(洞窟にこもる時間)」を持った方が、仕事にもいい影響を与えると思います。そして、何より大事なのは、人生を楽しむこと。私は社会人を経験してから、栄養学を学ぶために、25歳で大学に入り直しました。これから年を重ねても、新しいことにチャレンジし続け、自分を成長させていきたいと思っています。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2013/01/07、エリカ・アンギャル=栄養コンサルタント]

[写真:的野 弘路]

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