【子宮頸ガンを予防する】

中学生の姪が、子宮頸ガン予防ワクチンを受けると聞いた∪さん(36歳)。ワクチンは自分が受けても効果があるのか、気になっている。

子宮頸ガンは、女性の子宮頸部と言われる子宮の入り口付近にできるガン。毎年約1万5000人が子宮頸ガンと診断され、年間約3500人が死亡している。最近では、20代後半から30代で急増している。一方、子宮頸ガンは予防ワクチンが開発されている唯一のガンで、定期的な検診を併用し早期発見すれば、命も子宮も失わずに済む。

子宮頸ガンの主な原因は、約15種類あるHPV(発ガン性ヒトパピローマウイルス)への感染だ。性交渉があれば誰でも感染する。しかし、感染してもすぐに子宮頸ガンになるわけではなく、ガンになるのはそのごく一部。HPVは感染しても、そのほとんどが自然に排除されるうえ、感染して細胞に異常が生じても、ガンまでは進まないものも多い。ただし、性交渉があれば、何度も感染する可能性がある。

子宮頸ガン予防ワクチン(以下ワクチン)は、15種類の発ガン性HPVの中でも、16型と18型HPVの感染を予防する。この2種類は子宮頸ガンを発症した人の約7別の原因であり、20〜30歳の発症者では80〜90%の人から見つかっている。すなわち、100%ではないが、このワクチンでかなりの子宮頸ガンが防げると期待されている。

ワクチン接種と定期検診を
ワクチンが最も効果を発揮するのは、HPVに感染していない性体験前。接種が早いほど、HPVに対する抗体の量を示す指標も高くなると言われている。そのため、自治体では中学生に対するワクチン助成が行われている。娘がいるビジネスパーソンは、この時期に接種を検討するといいだろう。

性交渉のある女性にも、ワクチンの効果はある。先述したように、HPVは排除されても何度も感染を繰り返すからだ。ワクチン接種時に16型と18型に同時に感染している場合は無効だが、そのようなケースは少ない。日本産婦人科医会では、ワクチンによる再感染の予防効果も考慮すると、45歳までの女性に一定の効果が期待できるとして接種を推奨している。

現在使用されているワクチンは2種類ある。1つは16型、18型のHPVに感染予防効果を持つもので、より抗体の量を示す指標が高くなり、維持期間が長いというデータが出されている。もう1つは、16型と18型HPVに加え、尖圭コンジローマという性器イボを引き起こす原因となる6型と11型への予防効果があるものだ。接種時の副反応はほかのワクチンとあまり差はないとされている。

ワクチンで多くの子宮頚ガンが予防できるが、16型、18型以外のHPVが原因の子宮頸ガンもあるので、すべてを予防できるわけではない。そのため、子宮頸ガン対策に万全を期すため、ワクチン接種に加え、1〜2年に1回は子宮頸ガン検診を受け、早期発見に努めてほしい。
(談話まとめ:武田 京子=医療ジャーナリスト)

[出典:日経ビジネス、2012/12/24・31号、小田 瑞恵[こころとからだの元気プラザ(東京都千代田区)診療部長]

[イラスト:市原すぐる]

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