【考えるテーマを決めて歩く】

中学・高校ではラグビー部。大学ではアメリカンフットボール部に転向して、大学院からは社会人]リーグの「アサヒビールシルバースター」に所属し、9年間プレーしていました。クラブチーム時代は仕事のある平日夜にも週に2日は練習があり、東京都内の職場からチーム本拠地の川崎球場までタクシーで駆けつけ、終わるとまた職場に戻るといった生活を送っていました。

そんなふうに、中学からずっとスポーツをしてきているので、引退後もジムに通って筋力トレーニングを続けています。体はとても正直で、トレーニングを怠ると、すぐに体形の変化となって表れます。逆に、努力すればそれだけの成果が得られる。体を鍛えるということは、自分に対する規律のようなものでもありますね。

出張時にはジムのあるホテルを予約して、朝汗を流してから出かけるようにしています。最近は、海外1・2号店をオープンした韓国、年内に事業展開を予定している中国への出張が増えていますが、海外のホテルはジムが充実しているうえに、早朝から深夜まで無料で使えるのがうれしいですね。

「1日1時間、考える時間を持て」
トレーニングのほかに習慣にしているのが、歩くことです。自宅から会社までの往復約2時間を、徒歩で通勤しています。健康のためということもありますが、仕事のことを考える貴重な時間にもなっています。そのため、スケジュールを立てる時には、あらかじめ歩く時間を押さえ、そこで考えるテーマも決めて、手帳に書き込んでおきます。

経営やプロジェクトに関することなど、重要な急務は優先的に時間を取りますが、そうでないことはどうしても、後回しになりがちです。しかし、急務ではなくても、重要なことはたくさんあります。特に、人とのコミュニケーションやマネジメントに関することは、ちゃんと時間を取って考えたい。その時間を日常の業務の中で捻出するのは難しいので、歩く時間に当てているのです。

例えば、社内に発信するメッセージの内容を考えたり、事業計画などのストーリーを練ったりするのは、パソコンに向かうより、歩いている時の方が、いいアイデアが浮かびます。また、人に話そうとしていることを、どう伝えれば理解してもらえるかといったことも、歩きながらシミュレーションしています。

「どんなに忙しくても、1日1時間、考える時間を持ちなさい」──かつて、マッキンゼー・アンド・カンパニーの新入社員研修で、尊敬する先輩の1人がこうアドバイスしてくれました。以来、この言葉をずっと意識しています。私にとっては、トレーニングや歩く時がそれに最適な時間。健康維持のためにも、この時間を大切にしていきたいですね。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2012/06/25号、加藤 智治=あきんどスシロー専務]

[写真:皆木 優子]

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