【食から心身を整える】

私の元気の源は「食」にあります。食品スーパーを経営する仕事柄、生産者の元に足を運んだり、試食したりする機会が多くありますが、「いい食べ物」からはおいしさはもちろん、力強いエネルギーが感じられるような気がします。 例えば野菜なら、畑の土壌から丹精込めて作られたものは、やはり違いが分かります。畑が整っているかいないかは、生産者の技術も含めた人となりによるところが大きい。真撃に取り組む生産者が作った野菜には、それだけのエネルギーが宿り、野菜を介して食べる者にも伝わってくるのでしょう。 いい食べ物を選び、エネルギーを受け取るためには、受け手の心身の状態を整えることが大事だと思います。また逆に、受け手の心身の状態を整えるには、食生活を整えることが大切だとも考えています。 忙しくて食事もろくに取れない日が続くと、気持ちがすさんで、思考も雑になり、食べるものも荒れてきます。私自身、いつもは刺激の強いものは食べませんが、多忙でストレスを感じると、ジャンクフードや辛いラーメンなどを食べたくなります。結果、食べると胃が荒れて、体調を崩します。そういう意味でも、心身の健康は、食と密接に関係していると思います。 自分を大切にする気持ちを育む
普段の食生活は、自然栽培の玄米にみそ汁、無農薬の野菜料理、漬物や発酵食品などの和食が中心です。全粒粉を使ったパンなどの洋食の時もあります。調味料は生醤油や自家製みそなど、昔ながらの製法で作られたものを選んでいます。玄米を食べ始めた頃はぼそぼそして食べにくいと感じましたが、水分を多めにして炊くなど工夫しているうちに好きになりました。 心身の状態を整えるのと同時に、感性を磨くことも大事です。そのためには、自ら発信できるよう前向きに学んで知識を得たり、運動して体を鍛えたりすることが必要でしょう。私は仕事を通じて多くの学びの機会を得ていることを幸せに感じます。最近では、親子ほど年の違う若手経営者たちとの交流から学ぶこともあり、それが刺激となって新しいプロジェクトを始動しました。禁煙とマラソン歴は20年。毎朝の逆立ちや筋トレなども日課です。 こうしたことを続けているうちに、だんだんと自分の感性を信頼できるようになってきました。いい食べ物からエネルギーをもらうと、食事が楽しくなりますし、心身のコンディションも良くなります。そうなると、食器も職人の手で丁寧に作られたものを使いたくなったり、箸や箸置きなどにも意識が向くようになったりと、自分自身や周囲のものも大切しようという気持ちが大きくなっていきます。 これからはいい食べ物を探し、選ぶスキルを、皆さんにも伝えていきたいと考えています。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2012/04/02、福島 徹=福島屋会長、ユナイト社長]

[写真:的野 弘路]

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