【無理なく続けられることを】

日曜日の朝は、寺の道場で空手の稽古をしています。準備体操・ストレッチから始まり、動作の「基本」、基本の技を組み合わせた「型」、相手と向き合って行う「組み手」まで、1時間半から2時間ほど汗を流します。空手は年相応に、いくつになっても続けられる運動で、道場での稽古には就学前の子供から60代まで、20人程度が参加しています。

私が空手を始めたのは中学生の時。小柄な体格でも不利にならない競技をやりたいと思ったのがきっかけでした。以来、空手歴は40年以上になります。ポーランドとタイでの海外赴任中にも稽古を続けていました。その際は、武道を通して礼節や義勇といったことを海外の方に語ることで、日本への理解を深めてもらうことにも役立ったと思います。

学生の頃は試合に勝つことが目標であり、楽しみでもありました。そのために、辛く苦しい稽古にも耐えていましたが、社会に出て海外の人や地域の人たちと稽古をするようになってから、競技とはまた違った面白さを感じるようになりました。今は疲れたら休みますし、無理はしません。

800段の階段を歩いて上る
空手のほかには、歩くことも健康法の1つです。休日に自宅付近の寺や神社、河原の遊歩道などを散歩するほか、ゴルフにも出かけます。平日には週に1回程度、昼休みにジャージと運動靴に着替えて、オフィスのあるビルの1階から40階までの階段800段を歩いて上っています。

その際は、虚空蔵(こくうぞう)菩薩のご真言を唱えながら歩きます。これはある本で、意味の分からないお経などを唱えながら歩くと、脳内の神経伝達物質セロトニンが活性化されて、リラックスできると書いてあるのを読んでから始めま した。虚空蔵菩薩のご真言は、四国霊場八十人カ所を巡る際にも唱えられるそうで、100万回唱えることですべての教典を覚えたことに通じると言われています。

歩くことよりも、頭を空っぽにすることの方が目的なのですが、始めた頃は800段を上るのに25分程度かかっていたのが、今では12〜13分で歩けるようになりました。ご真言はその間、100〜120回程度唱えられます。1年ほど前から数え始めて、ようやく9000回を超えたところです。

また、日常的にも、ちょっとした空き時間に屈伸運動をするなど、できるだけ体を動かすようにしています。特に、関節が硬くなるとけがをしやすくなったり、疲れやすくなったりするので、柔軟性を維持するよう、風呂上がりに股関節のストレッチや柔軟体操などをするように心がけています。

健康法で大切なのは、継続すること。そのためには、自分で無理なく続けられることを見つけるのが一番だと思いますね。
(談話まとめ:田村知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2011/04/18号、村林 誠=味の素ゼネラルフーヅ社長]
[写真:山田慎二]

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