【自然治癒力を高める】

医薬品を扱う仕事柄、健康にまつわる情報を見聞きする機会が多く、いわゆる門前の小僧で様々な知識も身につきました。そうした中でも私は、人間は自分の力で生きているのではなく、自然や宇宙の中で生かされているのだと考えています。ですから、西洋医学だけでなく、そうした考えに基づき、人間の自然治癒力(免疫力)を大切にする統合医療にも関心があります。

興味を持ったら何でも試してみる性分で、鍼灸にも行きますし、マッサージによってリンパ液の滞りを改善し、老廃物を排出しやくすると言われるリンパドレナージュも受けています。また、リフレクソロジーの先生を定期的に会社に招いて、社員も一緒に施術を受けられるようにしています。リフレクソロジーは、足裏にある全身の臓器や器官に対応した反射区と呼ばれる場所に刺激を与えることで、自然治癒力を高めるとされるものです。施術の中で不調と、見られるところをアドバイスしてもらえるので、私だけでなく、社員にとっても健康に対する気づきのきっかけになればと思っています。

「しょうが紅茶」で冷えを改善
日常的に実践しているのは、毎日の朝食後に「しょうが紅茶」を飲むことです。すりおろしたしょうがにはちみつを加えたものを、紅茶に入れて作ります。これは5年ほど前、自然療法を取り入れた治療を行っている医学博士の石原結賽先生の講演会でうかがって始めました。

石原先生は、体が冷えると健康に悪影響を与えるとして、冷えを改善するように指導されていますが、しょうが紅茶には体を温める効果があるそうです。しょうが紅茶を飲んでみると、首の後ろが熱くなって、汗が出てくるのを実感しました。体調も良く感じられたので、以来、夏でも続けています。

年を取ってからも元気に続けられる趣味として、ゴルフをされる方も多いですが、私はジャズにはまっています。

十数年前に東京・銀座のジャズの店に連れていってもらって以来、足繁く演奏を聴きに通っていました。ある時、バンドマスターに「アルトサックスは3カ月で吹けるようになる」と言われて、教えていただくようになりました。

レッスンは毎週1回。11年続けています。今では師匠のライブで一緒に演奏させていただいたり、自分で演奏会を企画することもあります。昨年は、東京都墨田区で初めて開催された「すみだストリートジャズ・フェスティバル」に参加。約200バンドが集まる中で、私は師匠やプロのミュージシャンと一緒に演奏しました。慣れない野外での演奏は大変でしたが、車いすに座って聴いていらした若い方が、立ち上がって手拍子する姿を見て、参加してよかったと心から感動しました。

今はまだ夢ですが、引退したら師匠と一緒に、特別養護老人ホームなどを回って、ジャズの生演奏を楽しんでもらえたらと思っています。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2011/02/07号、岩城 修=イワキ社長]
[写真:皆木 優子]

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