【言葉や思考を前向きに】

「健康」とは、病気でなければよしというものではなく、精力的に働けたり、何かに挑戦しようと思えたりするような、心身のエネルギーに満ちあふれた状態のことを言うのだと思います。そうした状態を維持するためには、日々の努力が大切でしょう。

肉体面のトレーニングでは、以前はスポーツジムに通ったりもしていましたが、今は時間を作るのが難しいため、日常の中でできることをしています。移動で電車を使う時には座らずに立っていたり、車を運転する時には信号などで停止すると手指を握ったり、足を上下に動かしたり。デスクワークの合間に腕立て伏せや腹筋運動などを行うほか、海外出張時にはいつも水着を持参して、ホテルにプールがあれば泳ぐようにもしています。

そして、少しくらい体調が優れないと感じる時でも、「今日も元気だ」と言うようにしています。言葉や思いというものはとても影響力を持っていて、「調子が悪い」と言ったり思ったりしていると、実際にそうなってしまうものだと考えています。ですから、「元気だ」と言葉にすることで元気になり、元気でいられると思うのです。

このように、どんな状況でも、何事に対しても前向きに捉え、ポジティブな言葉を話すことは、精神面のエネルギーを高めるためのトレーニングにもなります。

「ツイッタ―ー」で感謝をつぶやく
持ち前の好奇心から、今年になって、140文字以内で発言(つぶやき)を交わすインターネットサービス「ツイッター」を始めました。私はツイッターでも、この精神面のトレーニングを実践中です。毎日その日にあった出来事から、新たに学んだこと、感謝したことを「今日の学び」「今日の感謝」としてつぶやいています。

学んだり感謝したりすることが大切だと知っていても、体現しないことには、ただの知識でしかありません。日々学び、感謝することを積み重ねていくことで、学べる人間、感謝できる人間になっていけるのだと思います。私のつぶやきは社内のパソコンからも見られるようになっているため、社員に私の考えや思いを伝えるコミュニケーションの場にもなっています。

経営者が本当の意味で健康でいることは、企業が成長していくベースとも言えるでしょう。我が社も米リーマン・プラザーズ破綻以降の経済不況で、非常に厳しい時期がありました。そんな時でも経営者は、常に適切な判断を下すことを求められます。心身が元気でなければ、この苦境を乗り切ることはできないと痛感し、こうしたトレーニングを意識的に行い、自分を支えてきました。その過程でも、様々な学びや感謝がありました。これからも日々学び、感謝しながら成長し続けることで、健康でいるだけでなく、人生を楽しんでいきたいと思っています。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2010/12/13号、加藤 雄一=アドバネクス会長兼社長]
[写真:皆木 優子]

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