【「陽転思考」で心を元気に】

年間100回以上の講演を行っています。体調を崩してもピンチヒッターはいませんから、絶対に穴を開けないように、また、私の話を聞いてくださる方に元気になってもらえるように、私自身が健康でいることは必須です。

健康管理で心がけているのは、朝型の生活を習慣づけること。できる限り午前0時前には就寝して6時に起床しています。そして腹式呼吸をすること。また、スポーツジムなどに出かけて運動する時間を作るのは難しいので、仕事用のヒールのある靴は携帯して、普 段はウォーキングシューズを履いてなるべく歩くようにしています。

趣味の神社参拝も、参道から祭壇までの往復を歩くと、意外といい運動になります。1カ月に4回程度は氏神様を祭った近所の神社にお参りに行くほか、講演先や休日にも神社へ足を運んでいます。神社を訪れると背筋が伸びて、気持ちがしゃんと引き締まるのも、 体に良いように感じます。

体の健康管理以上に大切にしているのが、心の健康管理です。先行きが見えない社会情勢の中で、心身を病む人が増えています。仕事や私生活での悩みや不安を相談されることも多くなりました。気持ちが元気になれないと、休も病んでしまいます。ですから私は15年間、心を元気にする「陽転思考」を実践してきました。

陽転思考とは、起こった事実の中から、「良かった」と思える明るい側面を見つけ出す考え方です。これは一般に言われるポジティブシンキングやプラス思考とは違います。

弱さも無理せず受け止める
ポジティブシンキングやプラス思考では、悪いことには目を向けず、常に前向きな考え方をするのに対し、陽転思考では良いことも悪いことも、起こった事実として受け止める。そしてその事実から、「良かった」と思えることを探し、悪いことが起きても引きずら ずに、明るい方向に気持ちを切り替えていく、つまり陽転していくのです。

私も人間関係で悩んだり、プレッシャーに押しつぶされそうになる時はあります。それでも、陽転思考ができるようになってからは、「嫌だ、嫌だと言って生きるか、楽しいことを見つけて生きるか。どちらも同じ人生なら、今を楽しんで生きよう」と思えるようになりました。

心が弱っている時に、無理に明るくいようとすると、かえって心が疲弊し、ますます自分を見失ってしまいます。悪い出来事や弱い自分も受け入れて、そこから陽転する思考が身についてくると、小さな幸せにも敏感になり、人とのコミュニケーションなども好転し ていきます。

私は心を元気にすることが、何よりの健康管理につながると考えています。これからも陽転思考でわくわくしながら、楽しく生きることを大切にしていきたいですね。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2010/05/24号、和田 裕美=ペリ工代表]

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