【元気な顔の作り方】

気力は顔に表れる。それも、眉間の中央に出る。そこは古来、「印堂」と呼ばれ、陽気(プラスエネルギー)の宿る場所とされてきた。戦国時代に成立した日本柔術の流派である「竹内流」には、必殺の当て身として、「印堂砕き(眉間の当て)」がある。これは、気力の集中点を拳で狙うことにより、一撃で相手をダウンさせてしまう技。「目から火花が出る」という言葉も、この印堂砕きを体験した武士の述懐から生まれたという。

数々の武術家と勝負し、いずれの戦いにも勝利した剣豪・宮本武蔵は、その実戦的剣術修行から得られた極意として、印堂の使い方に言及している。行動に際して「顔はうつむかず、あおのかず、かたむかず、ひずまず、目をみださず、ひたいにしわをよせず」、そして印堂がある「まゆあい」に「しわをよせて、目の玉うごかざるやうにして、またたきをせぬやうにおもひて…」(『五輪書・水之巻』)。

体は自然体にして、気力を印堂に集めて敵に相対せよ、と武蔵は言う。故に、敵も気力を散らすために真っ先に印堂を狙ってくる。

ヨガでは、印堂を「チヤクラ(エネルギーセンター)」と位置づけ、「第3の目」とも呼んでいる。印堂は、気力だけでなく、直感力や洞察力、精神性の高さや理想を司る場所でもあると考えられているからだ。仏像の眉間の中央に丸い印が描かれていたり、宝石が埋め込まれていたりするのもそのためである。

眉間が黒ずんで力のないように見える顔を、古人は「破相」と呼び、嫌った。そうした相の人は、仕事で失敗を重ね、家庭を暗くし、不運の人生を歩むと見なした。武蔵は相手の精神状態や健康状態を眉間で判断し、印堂に力のない人は柏手にしなかったという。

印堂がきれいで、光り輝いている人、また眉間にすごみを感じる人は、運気が旺盛で、幸運にも恵まれるとされている。先の衆議院総選挙で、民主党を大勝に導いた鳩山由紀夫総理大臣の印堂を見てみると、まさにそれに当たると言える。

10秒でできる「印堂」マッサージ
毎朝顔を洗う時には、鏡で自分の印堂をチェックするといい。元気でいい顛をしている時は、印堂がすっきりとして見え、元気のない顔をしている時は、印堂もくすんで見える。

印堂につやがなく、くすんでいる時は、落ち込んでいたり、悩み事を抱えていることが多い。そんな時は、眉間の中央に人さし指を軽く当て、10秒ほどマッサージすることをお勧めする。気の流れが良くなって、印堂の運気が蘇る。毎日続けていると、不思議と気力もみなぎってくるだろう。笑うのもいい。常日頃から笑顔を作るように心掛けていると、破相も消えていく。「笑う門には福来る」とは、その意味だ。

なお、印堂は不快な症状を取るツボとしても使える。目の疲れ、頭痛、鼻炎、蓄膿症のツボとして効果がある。よく眠れない時も、印堂をマッサージするといい。

[出典:日経ビジネス、2009/10/19号、堀田 宗路=医学ジャーナリスト]

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