【悔しさからの挑戦が原動力】

5歳で野球を始め、学生時代は真剣に練習やトレーニングに励みました。しかし、甲子園出場の夢をかなえることはできず、その悔しさを胸に、大学でも野球部に所属。社会人になってからは、配属された工場の軟式野球部でプレーを続けました。

そんな野球一筋の生活を送ってきたため、日常的に体を動かすことが習慣になっています。時間の取れる時には、今でも学生時代のように激しいトレーニングをすることもあります。

走るにしても、ジョギングのように長距離を流すのではなく、アスリートのウォーミングアップのように、40m程度の短距離でハーフダッシュを繰り返します。1時間くらいかけて何本も走るのですが、その合間には脚上げやサイドステップなども挟んでいきます。過酷な状況であればあるほど燃えるので、真夏の炎天下でのトレーニングが特に好きですね。

40代で料理が趣味に
野球でもそうでしたが、昔から悔しさをバネに努力したり、挑戦したりすることが、原動力になってきました。40歳を過ぎてから始めた料理もその1つです。

カナダに赴任していた当時、週末はよく何組かの家族でコテージを借りて、スノーボードに出かけていました。食事の支度は男性陣が担当していたのですが、奥さんたちが手出しできないくらい手際が良くて、料理もうまいご主人がいたんです。それがとても格好よくて、彼にできて自分にできないわけはないと奮起したのをきっかけに、料理をするようになりました。

始めてみると楽しくなり、調理道具にも凝り出しました。包丁は刀身から柄までステンレスでできた切れ味に定評がある製品を、野菜から肉、魚用と用途別に揃えました。カナダではガスではなく電気コンロだったので、取り寄せた中華鍋の底がにぴったり合うように、叩いて平らにしてもらったりもしました。

今では和食や中華にイタリアンとレパートリーも豊富です。酒の肴も作りますが、焼き鳥には特にこだわりがあります。小ぶりの肉に串を打って塩と胡椒で味を調えるのが私流です。店で食べる焼き鳥は肉が大きく食べにくいと感じることが多いのですが、これならスッと一口で食べられますし、飽きもきません。

キッチンに立つ時は、家族と会話をしながらだったり、軽くお酒を飲みながらだったりするので、リラックスできる貴重な時間になっています。時には、仕事のアイデアが浮かぶこともあります。

昨年の春にイプサの社長に就任してからはあまり時間が取れませんが、イプサの国内ビジネスを元気にすると同時に、グローバルブランドへと成長させるという新たな挑戦が、今の私の活力になっています。
(談話まとめ:田村 知子=フリーランスエディター)

[出典:日経ビジネス、2009/10/05号、堀 利理=イブサ社長]

参考:
堀 利理(ほり・としただ)氏
1962年生まれ。85年慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、資生堂入社。
国際事業部などを経て、資生堂ドイツ、カナダ、アメリカの社長を歴任。
2008年化粧品販売会社のイブサ社長に就任。

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