【薬の買い方はどう変わる?】

6月から薬事法が改正され、薬剤師がいなくても薬局で医薬品が買えるようになると耳にしたMさん(48歳)。
どのように変更されるのだろうか。

6月1日から薬局、薬店、ドラッグストアなどで販売していた一般用医薬品の販売制度が変わった。一般用医薬品は、カウンター越しに薬剤師が対面販売するという意味の「オーバーザカウンター」の頭文字を取り、OTC医薬品とも言われていた。今回の改正薬事法では、国家資格者である薬剤師だけでは人員が不足するため、1年間の医薬品の販売実務経験があり、都道府県の試験をパスした「登録販売者」にも、一部を除く医薬品の取り扱いを認める。

これに伴い、購入者は薬の作用や使い方、注意すべき点などのアドバイスを、薬剤師に加え登録販売者からも受けられるまうになる。利用者が自分に合った薬を安心して購入できるようにした制度と言える。

一般医薬品は3種類に分類
すべての一般医薬品は、第1類、第2類、第3類のいずれかに分けられ、薬の外箱にも「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」のように表示される。

第1類医薬品とは、一般用の医薬品としての使用経験が少なく、安全性上特に注意が必要なもので、薬剤師でなければ販売できない。また、薬剤師が文書でその薬の情報提供をすることが義務づけられている。

この中には、「スイッチOTC薬」と呼ばれる市販薬も含まれる。これは、今までは医師が診察した後でのみ処方できた医療用医薬品からOTC医薬品にスイッチされた医薬品のことで、「H2プロツカー」が主成分の胃腸薬などが身近な例だ。まだ全体の1割程度の品数だが、これから増えることが予想される。

第2類医薬品は、副作用、相互作用などの面から、注意が必要なものとされる。いわゆる風邪薬の総合感冒薬や胃腸薬、漢方薬などで、全体の6割を占める。

第3類医薬品は、副作用、相互作用などの面から、多少注意が必要なもの。ビタミン剤や栄養剤、うがい薬、目薬などで、全体の3割程度だ。

第2類・第3類医薬品は薬剤師及び登録販売者が販売するが、購入者が質問をすれば、両者がすべての医薬品について答えることになっている。

薬局、薬店、ドラッグストアが、一般市民にとって身近な「ヘルスケアステーション」となることが期待される。医薬品を購入する際は、漫然と選ぶのではなく、納得のいくまで専門家に相談してみよう。

ただし、薬剤師や登録販売者は医師とは違って、病気の診断はできないため、医師に相談するよう勧められる場合もある。その際は、必ず医療機関を受診すること。

薬剤師や登録販売者のアドバイスを参考にしながら、薬局、薬店、ドラッグストアを上手に利用することで、自分の健康は自分で守るセルフメデイケーションに役立ててもらいたい。
(談話まとめ:江木 園貴=プレゼランス)

[出典:日経ビジネス、2009/06/01号、栗原 毅=栗原クリニック東京・日本橋(東京都中央区)院長 慶応義塾大学大学院教授]

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