【後発医薬品を上手に使う】

高血圧のため、自宅近くの診療所に通うBさん(59歳)。
後発医薬品にすれば薬代が安くなると開いたが、変更してもよいのだろうか。

診療所や病院で処方される薬(医薬用医薬品)には、2種類あることをご存じだろうか。1つは、新し い効能・効果があり、臨床試験(治験)によりその有効性や安全性が確認されたうえで認められる「先発医薬品」。もう1つは、先発医薬品の特許が切れた後に、同じ成分を含み、先発医薬品と同等であるとして認められる「後発医 薬品」だ。後発医薬品は「ジェネリック医薬品」とも呼ばれる。

後発医薬品は、開発にかかる費用が少ない分、先発医薬品より価格が安い。そのため、医療費削減を目指す国は、 後発医薬品の使用を促進する政策を打ち出している。

今年4月からは、医師が「後発品への変更は不可」と明確に意思表示をしなければ、たとえ処方箋に先発医薬品 の名前が書いてあったとしても、薬局で薬剤師が後発医薬品に替えて調剤することができるようになった。

患者さんにとっても、後発医薬品を使用すれば、自己負担額が安くなるというメリットがある。後発医薬品メー カーが、テレビコマーシャルなどで積極的にPRしていることもあり、患者さんの間でも、後発医薬品に対する関 心が高まっているようだ。

一方、医師の間には、後発医薬品に対しで懐疑的な見方がないわけではない。以前は一部に粗悪な後発医薬品が 流通していたこともあり、いまだに「安かろう、悪かろう」というイメージを持つ人がいるためだ。

後発医薬品は、先発医薬品と“同等”ではあるものの、必ずしも“全く同じ”とは限らないことを問題にする人もい る。それはその通りで、後発医薬品の場合、薬の主成分が先発医薬品と同じであることは当然としても、添加剤は 先発医薬品と異なるものを使用することが認められている。

私自身は、患者さんの意見を聞きながら、その人に合った後発医薬品を使っていこうという考えだ。その際は、 単に安ければよいというのではなく、効果や副作用の点で、先発医薬品と変わらないことが前提となる。

この7月、高血圧の薬であるアムロジピンに、後発医薬品が初めて登場した。私は患者さんに対して、先発医薬 品と後発医薬品の両方の値段を示したうえで、どちらを希望するか開き、基本的には希望通りの薬を処方するよう にした。その後の経過を見ているが、特に変わったことはなく、スムーズに変更できている。

以前に、コレステロールを下げる薬であるプラパスタチンに後発医薬品が登場した時も、同じことを行った。43 人の患者さんを対象に、先発医薬品を後発医薬品に変更した前後で、コレステロールの値を測定し、ほとんど差が ないことを確かめた。

このように、治療効果に変化がないことが分かれば、医師も自信を持って、後発医薬品を処方できるだろう。
(談話まとめ:北澤 京子=日経メディカル)

[出典:日経ビジネス、2008/11/10号、高本 英司=共立会たかもと診療所(大阪市城東区)院長]

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