【『弱き者、弁慶の泣き所にアキレス腱』】

「弁慶の泣き所にアキレス腱」。この言葉は、高齢化が進む現代社会では、温故知新の格言として、健康維持のた めに役立てたいものである。

スポーツをすれば捻挫や骨折、アキレス腱の断裂を起こすなど、現代人の筋肉や骨の弱体化が目立ってきてい る。そのバロメーターとなるのが、これら骨と腱である。

弁慶の泣き所は向こう脛とも言う脛の前面、アキレス腱はふくらはぎの下にある人体最大の腱だ。いずれも強い ように見えて、実は人体の中の弱点でもある。その証拠にアキレス腱の名は、強者として知られた古代ギリシャの英 雄アキレウスが、この腱を矢で射られて死んだことにちなんでつけられた。

人体は206本の骨で支えられており、その主成分はカルシウム。体内の99%のカルシウムは骨と歯に集まっ ていて、子供の頃からの積極補給が、成人になってからモノをいうらしい。

骨の健康を維持するには、カルシウム不足の解決だけではなく、骨の成長や丈夫さに影響するホルモンが中高年 の声を聞く頃に低下しないよう、若さを保つ努力が大切だ。ストレッチやスタワット体操、腹筋運動などで筋トレ を続けることは、アキレス腱をはじめ、骨を支える筋肉の老化防止に役立つ。

食事では骨粗鬆症の予防も考えて、十分なたんばく質を牛肉や豚肉、牛乳、卵、魚介類のほか、納豆や豆腐などの 大豆製品で取る。カルシウム、ビタミンD・K、それに大豆イソフラボンや亜鉛の多い生牡蠣などもお薦めだ。

いずれにしても、骨と腱は健康の鏡。時々は足元を見つめてみよう。

[出典:日経ビジネス、2008/10/06号、志賀 貢=医学博士]

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