【コンタクトレンズが招く眼障害】

長年、コンタクトレンズを愛用しているFさん(48歳)。
かすみ日が続いても気にせずコンタクトを使用していたら、 まぶたが赤く腫れてしまった。

コンタクトレンズの使用者は、今や1500万人に上ると言われている。しかし、その裏で問題となって いるのがコンタクトレンズ眼障害だ。現在、150万人以上がこの障害に悩んでおり、コンタクトレンズ使用者の7 〜10人に1人の割合で発生している。

目の角膜は、涙に溶け込んだ空気中の酸素を取り入れ呼吸している。コンタクトレンズにより角膜表面が覆われ ると、目は酸素不足に陥り、やがて角膜の細胞がはがれ落ちて雑菌からの防御機能を低下させ、角膜は傷つきやす く、感染症を起こしやすくなるのだ。

最も多い眼障害は、レンズの汚れなどによるアレルギー性結膜炎。このほか、レンズによるこすれや乾燥などで 角膜に傷がつき、重症化してびらんや潰瘍に至るケースもある。特に細菌などによる感染性の角膜潰瘍は、重症化 すると失明の危険もある。

このような眼障害の原因は、長時間の使用、洗浄不良、不適切な消毒などのほか、使い捨てレンズを何度も使用 するといった誤使用も多い。コンタクトレンズで見ると、1週間連続装用便い捨てソフトレンズは発症率が最も高 く、つけたまま就寝して角膜の酸素不足を引き起こすことが原因の1つと思われる。2週間交換型ソフトレンズも、 使用期限を守らない、不十分なケアなどの理由で障害が増加している。

硬いハードレンズなら、目に異物感があるとすぐに気づきやすく、障害が起こっても重症化しにくいのでお薦め だ。ソフトレンズなら、1日使い捨てか、使用期限を守ることを前提に、2週間交換型が比較的安全と言える。

ただ、日頃のケアを怠っては安全性に保証はない。十分手を洗い、専用のクリーナーで丁寧にこすり洗いした 後、洗浄・乾燥し、ケースの洗浄・乾燥も忘れないこと。使用は1日のうちでは長くても12時間を目安に、自宅で はメガネを用いることが望ましい。

コンタクトレンズは、薬事法で定められた「高度管理医療機器」に属し、リスクの高い医療機器として、本来は 取り扱いに十分注意しなければならない。しかし実際は、一般の薬局や量販店、インターネットなどで手軽に購入 でき、それらの店で医師免許のない者や非眼科医による処方・販売が行われるなどで眼障害が多発している。

必ず、専門知識を持つ眼科専門医から、診療・処方・処方後のケアを適切に受けてほしい。充血、痛み、かすむ など違和感があったら、すぐに使用をやめ受診することはもちろんだが、目に異常がなくても、3カ月ごとに定期 的な検査を受けることは重要だ。レンズは、自分では気づきにくい傷がついていたり、度が合わなくなっているこ ともあり、実際、眼障害を起こした6割の人は適切な検査を受けていない。

10月10日は「日の愛護デー」。これを機にコンタクトレンズケアを見直し、自分の日をいたわってほしい。
(談話まとめ:内藤 綾子=医療ジャーナリスト)

[出典:日経ビジネス、2008/10/06号、宇津見 義一=宇津見眼料医院(横浜市中区)院長]

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