【“1食2鳥”のメタボ対策】

メタポリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策と社会貢献。りそなグ ループはこの2つに同時に取り組む「TABLE FOR TWO(TFT)」に参加し ている。

開発途上国では食料不足による飢餓や栄養失調が問題となっている一方、 先進国では飽食による生活習慣病が増加している。この食の不均衡の是正を 目指すために誕生したのが、TFT。社員食堂でヘルシーメニューを食べる と、代金から20円が開発途上国の学校給食1食分として寄付される仕組み だ。開発途上国の子供と先進国の参加者が、時空を超えて食事を分かち合う イメージから、「2人の食卓」を意味する名がつけられた。

2007年の世界経済フォーラムの関連会議で、近藤正晃ジェームス東京大 学特任准教授らによって提唱された後、伊藤忠商事などが試験実施。NPO 法人(特定非営利活動法人)「TABLE FOR TWOインターナショナル」の小 暮真久事務局長によれば「特定健康診査・保健指導の義務化が追い風となり、 社員食堂の入り口には、TFTメニューを毎日展示。季節ごとに 20種類の献立を用意している企業や健康保険組合からの問い合わせ が増えた。8月現在、外務省などを含む60社・団体が参加している」。

りそなホールディングスでは、2008年1月から大阪と東京の両本社で週に 1度、3月からは毎日実施。継続的に導入したのは、同社が初めてだ。

導入に当たっては社員食堂の運営を委託するエームサービスと検討し、従 来ヘルシーメニューとして提供していた「低カロランチ」を、TFT認定メニ ューに改善した。ガイドラインでは1食730キロカロリー程度とされている が、「低カロランチは1食約670キロカロリー。調理の際はカロリーの高い油 を控えるよう工夫し、野菜でボリューム感を出している」(エームサービス 栄養士・吉野華子氏)。

りそなホールディングスコーポレートコミュニケーション部ブランド・ CSRグループの桑原崇プランニングマネージャーは、「当初はCSR(企業 の社会的責任)の観点から導入したが、TFTへの参加で改めて低カロランチ をアピールできた。実施前より利用者も増え、評判も上々」と話す。

同社ではヘルシーメニューを注文または募金箱に寄付すると、協賛企業の ヘルシー食材をプレゼントするという、独自のキャンペーン企画「TABLE FOR TWO+1」を実施するなどして、普及促進に努めている。今年7月には 大阪と東京で6447食の利用があり、募金も合わせて337人分の子供たちの 給食費が集まった。

りそな銀行東京健康管理センターの産業医・田村和子氏は「TFTは社会貢 献の意味合いが大きいと思っていたが、メタボ対策としての効果も高い。 今後は健康への具体的な効能を打ち出していってほしい」と指摘。併せて運 動療法の実施も検討している。

[出典:日経ビジネス、2008/09/29号、田村 知子=フリーランスエディター]

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