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【市販外用薬によるかぶれに注意】

足の指の間がかゆくなりドラッグストアで水虫薬を 購入したTさん(52歳)。
薬を塗り続けたところ患部がひどくかぶれてきた。

一般般用医薬品(OTC薬)は薬局・薬店やドラッグストアなどで気 軽に購入できるため、薬を自分で購入し、使用する人が増えている。だが、 安易な使用は避けるべきだ。実はOTC外用薬による皮膚障害の報告が 少なくないからだ。

我々が、OTC薬が原因と考えられる皮膚障害について全国的に調査を行 ったところ、報告されたトラブルのほとんどは外用薬(塗り薬や湿布薬、目 薬など)による接触皮膚炎だった。原因となったOTC薬の種類は様々だが、 中でも水虫・タムシ用薬によるものが最も多かった。

接触皮膚炎の原因と考えられた成分を見てみると、水虫薬では主成分の抗 真菌薬以外にもクロタミトンやジフェンヒドラミンといったかゆみ止め成分 が予想以上に多かった。また、湿疹・あかぎれ用薬に入っているプフェキサ マクなどの消炎鎮痛成分や、消毒薬にしばしば含まれるリドカインや塩酸ジ ブカインなどの局所麻酔成分でかぶれを起こしたケースも目立った。

外用薬の副作用として、接触皮膚炎は特に珍しいものではない。しかし、 医師が処方する薬に比べると、OTC薬には主成分以外に複数の成分が入っ ていることが多いため、それだけ接触皮膚炎の原因になり得る物質も多いと 考えられる。

一方、前出の調査では、水虫だと勘違いして、湿疹に水虫薬を塗り続けた 結果、病変が遷延したといった「誤用」による皮膚のトラブルも多く報告され た。購入経路を調べてみると、OTC外用薬による皮膚障害を経験した人の 約8割が、ドラッグストアなどの量販店で薬を購入していたことが分かっ た。こういったケースでは、どの薬を選ぶべきか判断できずに、間違った薬 剤を選んでしまっている可能性もある。OTC薬は、薬剤師に相談したう えで購入し、適切な使用について指導を受けるようにしたい。

OTC薬を使い続けてもなかなか症状が改善しない場合や、逆に悪化する ような場合には、そのまま使い続けるのではなく、速やかに皮膚科を受診し てほしい。

かぶれた原因をスムーズに明らかにするためには、病院に行く時に、使っ ている薬を一緒に持っていくのが一番だろう。薬が手元にない場合は、せめ てその製品の名前を調べていきたい。同じブランド名でも、頭に「新」、末尾 に「EX」や「プラス」などがついていると、含有成分が違うことがあるので注 意しよう。

同時に、ほかの薬を併用している場合は、そのことも医師に伝えておきた い。かぶれの原因をバッチテストで調べる場合に、有用な情報となる。

かぶれの原因となった成分がほかの薬剤に入っている可能性もある。原因 成分が分かったら、以後、十分に気をつけるようにしてほしい。
(談話まとめ:黒原 由紀=日経メディカル)

[出典:日経ビジネス、2008/09/29号、浅井 俊弥=浅井皮膚科クリニック(横浜市保土ヶ谷区) 理事長]

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