【「メタボ撲滅大作戦」を展開】

メタポリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防に重点を置く特定健 康診査・特定保健指導、通称メタボ健診の義務化を受けて、ドラッグストア などでもメタボ対策をうたった商品が多数陣列されている。

漢方製剤「コツコアポ」シリーズもその1つ。脂肪燃焼を促すとされる同製品は、 1982年の発売以来、主に“ぼっこりお腹”を気にする女性をターゲットとしてきたが、 昨年6月には“メタボ腹”の男性に訴求するため、お腹の脂肪をつまむ男性のイラストを 使用したパッケージの商品をラインアップに加えた。

このコツコアポシリーズを製造・販売するクラシエ製薬とクラシエ薬品で は、今年6月から、社員の健康意識と生活習慣の改善を目指した健康増進活 動を展開している。その名も「メタボ撲滅大作戦」。

希望者に歩数計やメジャーを配布し、全事業所には体組成計を設置。タ ニタの会員制健康応援サイト「からだカルテ」と提携して、測定した歩数や 体重、体脂肪率などの個人データを付属の機器でパソコンから送信すれば、 同サイトに記録、グラフ化され、日々の健康管理に役立てられる仕組みにな っている。

できるだけ多くの社員の参加を促すため、成果の分かりやすい半年間の稔 歩数を集計し、上位入賞者には賞金も用意する。クラシエ製薬総務・人事グ ループ及びクラシエ薬品業務グループの柳岡祐紀係長によれば、「両社の全 従業員約600人に告知したところ、190人余りがエントリーした。40歳以 下や女性の参加も多く、メタボ健診の対象者以外も関心を示しているよう だ」という。

「製薬会社の社員としては、本来ならメタボであってはならないのだが、 昨年の人間ドックで、血圧、空腹時血糖値、コレステロール値、腹囲のすべ てが、メタボの診断基準を満たしてしまった。メタボ撲滅大作戦への参加を 機に、体質の改善を目指したい」と話すのは、クラシエ製薬ヘルスケア事業 部マーケティンググループの大賀学課長だ。

大賀氏は、通勤時に遠回りして多く歩くよう心がけているほか、休日には 皇居などに出かけてのウォーキングも行っている。最近では腹筋運 動も始めたところ、腹囲がベルトの穴1つ分減ったそうだ。「部署のほかの参加者と 歩数を競ったり、目標を話し合ったりと、お互いに刺激し 合いながら取り組めるので励みになる」(大賀氏)。

メタボ撲滅大作戦は、今年11月末までの半年閏実施されるが、からだカルテは2年 間利用が可能となっており、来年6月までは新規の参加者の登録も受け付ける。柳岡氏は「メタ ボ健診が本格始動する夏以降、今のところは楽観している社員の意識も高ま るのでは」と話す。

両社では継続的な実施のほか、クラシェフーズなどのグループ会社への呼 びかけも検討中だ。

[出典:日経ビジネス、2008/07/28号、田村 知子=フリーランスエディター]

戻る