【豊富な対策メニューを用意】

メタポリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の大敵と言えば、食べ過ぎ によるエネルギーの過剰摂取と運動不足。その両面から対策に取り組んでい るのが、総合化学大手の三井化学だ。

同社では、東京都港区の本社と千葉県袖ヶ浦市の研究センターの ほか、主要5工場に健康管理室を設置。7人の専属産業医 と20人以上の看護師らが、病気予防を中心とした健康作 りを展開している。本社健康管理室長・統括産業医の土肥 誠太郎氏は、「特定健康診査・特定保健指導(メタボ健診) の導入で、対象者の1〜2割が有所見となる見込み。自発 的に生活習慣を改善するのは難しいが、異なるタイプの健 康作りメニューを用意することで、各自が実行しやすい方法を選択できるよ うにした」と言う。

各地区の社員食堂では、給食事業のエームサービスや西日本グリーンハウ スなどと提携して、エネルギーを約600キロカロリーに抑えたヘルシーメ ニューを導入した。調理には油を使わない、野菜を中心とした献立でも、噛 み応えのある食材を使用して満足度を高めるといった工夫を凝らした。

各事業所では、ウォーキングラリーや駅伝大会、職場対抗スポーツ大会と、 運動に親しむ機会も多いが、体育館やグラウンド設備のない本社では、会議 室を利用したフィットネス教室を開催している。

昼には健康講座やストレッチ運動などにヘルシーメニューの昼食を組み合 わせたコースを企画。夜のコースは、各回ごとに様々なエクササイズを行う プログラムを、週に1度で全8回、年に2回ほど実施してきた。これを、今 年からは年に3回、隔週1度の全6回を通して、同じエクササイズを行うよ うに変更した。

5月からはヨガ教室がスタートしている。「毎回同じエクササイズの方が、 自宅でも継続して取り組みやすい」(女性社員・49歳)と好評のようだ。

夜のコースは定員20人。人気が高く抽選になることもあるというが、現在のところは参加者の大半が女性社 員。そんな中、真剣にポーズを取る男性社員の姿も見られた。 単身赴任で寮生活を送っているという男性(51歳)は、「働きながら運動する時間を確保 するのは難しい。社内でこうした機会があれば、時間や費用の面でも助かる」と話した 後、再び仕事に戻っていった。

女性に交ざってフィットネス教室に参加するのは抵抗が あるという男性や、自分のペースで取り組みたいという人 には、自主健康増進プログラムとして、インターネットを 活用したセコムの「ヘルスアツプNavi」を導入している。

三井化学では、メタボ健診を全社員に導入していく考えだ。「メ タボのリスクが高まるのは、結婚や働き盛りを迎える30代。若いうちから メタボに対する理解を深めてもらいたい」(土肥氏)。充実した対策メニュー が揃う一方で、社員への啓蒙が今後の課題となりそうだ。

[出典:日経ビジネス、2008/06/30号、田村知子=フリーランスエディター]

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