【加齢による歯の黄ばみを解消】

中高年の歯のホワイトニングが流行っていると開き、 興味があるYさん(52歳)。
歯に悪い影響はないのか、気になるのだが。

“歯のホワイトニング”と言えば、若い女性が受ける治療と考え られがちだ。しかしここ数年、40〜60代の中高年や男性で、歯のホワイ トニングを受ける人が増えている。これは、人と対面する際、口元の白さで 清潔な印象を与えたいと考える人が増えてきたためと考えられる。

そもそも、日本人は欧米人に比べて歯の内部にある象牙質の色が濃く、歯 が黄色みがかっている。しかも、加齢とともに象牙質に着色物が沈着し、歯 の色がより黄ばんでしまう。これは毎日きちんと歯磨きをしていても防ぐ ことができない。つまり、歯の黄ばみはエイジングの指標にもなってしまう のだ。

こうした加齢による着色を取り、本来の歯の色よりも白くする治療法が、 ホワイトニングだ。ホワイトニングには、主に2種類ある。短期間に歯科医 院で行う「オフィスホワイトニング」と、数週間かけて自宅で行う「ホーム ホワイトニング」だ。

オフィスホワイトニングは、濃度の高い漂白剤をレーザーなどで反応さ せ、1回30分から1時間という短時間に白くできるのが特徴。即効性がある ので、大切な会議や結楯式などに間に合わせたい場合に向いている。ただし、 1回の治療では1〜3カ月で元の色に戻りやすい。白さを1年以上維持する ためには2〜3回の治療が必要だ。また、急激に薬剤を作用させるので、歯 の透明感がなくなりやすい。

ホームホワイトニングでは、歯科医院で専用のマウスピースを作り、自宅 でそこに低濃度の漂白剤を入れて自分でホワイトニングをする。1日1〜2 時間マウスピースを装着し、それを2〜4週間続け、徐々に歯を白くしてい く。時間はかかるものの、マウスピースさえ作れば、自宅で空き時間にホワ イトニングでき、透明感のある自さにできるというメリットがある。

私たちの大学病院では、まずホームホワイトニングを勧め、着色が強い場 合にオフィスホワイトニングを併用している。

漂白剤を使うため、歯へのダメージを気にする人がいる。しかし、米国で は1990年代初頭から実施され、歯の強度や歯茎への影響はほとんど報告さ れていない。ただし、治療後、約半数の人が軽いものも含めて知覚過敏を感 じる。しかし、これは専用の歯磨き剤やフツ素を使えば回復する。

ホワイトニングでは、歯周病や虫歯の治療を終えていることが前提にな る。特に中高年の場合、歯周病の羅患率も高く、長年歯を使っているために 噛み合わせの部分のエナメル質がすり減っているケースも少なくないので、 それらのチェックが肝要だ。

米国では、スーパーマーケットなどでホームホワイトニングのキットが売 られているが、まずは歯科医院で歯の状態を確認してもらった方がいい。
(談話まとめ:武田京子=医療ジャーナリスト〉

[出典:日経ビジネス、2008/06/30号、久光 久=昭和大学く東京都大田区)歯学部齲蝕(うしょく)・ 歯内治療学講座教授]

[出典:日経ビジネス、2008/06/23号、田野井正雄=医学ジャーナリスト]

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