【メタバコ】

米国マサチューセッツ州にフラミンガムという小さな町がある。この町で 1948年から始まった疫学研究は、世界的に影響力を与える成果を発表し続 けている。禁煙すると、1年後には脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクが、も ともとたばこを吸わない人と同じになる、というのもその1つ。だが、吸い 続ければリスクは2〜3倍に高まる。

一方、日本では、大阪府立健康科学センター健康生活推進部長の中村正和 さんが提唱している「メタバコ」という言葉が注目されている。メタバコは、 メタポリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とたばこの合成語。今年から いわゆるメタボ健診が始まったが、メタボ対策と同様に、たばこ対策も必要 との危機感から生まれた言葉だ。

確信犯的な愛煙家はともかく、やめたいけれどやめられない諸兄は、中村 さんと大阪府立成人病センター調査部長の大島明さんによる新版『禁燻セル フヘルプガイド』(法研、200円=税抜き)の一読をお勧めしたい。同冊子に よれば、禁煙生活を継続するコツは、@たばこの害について自分なりのイメ ージを持つ、A禁煙しようと思った理由や禁煙中の努力を思い出す、B禁煙 してよかったことを考える、C力まずに気楽に禁煙を実行する、D今日まで 禁煙を続けてきた自分に誇りを持つ、E周囲の喫煙者にも禁煙を勧める、の 6つ。禁煙役立ちサイトも紹介されており、従来の禁煙ノウハウ本とは一味 違う。

メタボ対策ばかりが強調されるが、たばこ対策が抜けては、画竜点晴を欠 くというものである。

[出典:日経ビジネス、2008/06/23号、田野井正雄=医学ジャーナリスト]

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