【直営社食が食習慣の改善をサポート(エトワール海渡)】

メタポリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防と改善に重 点を置く特定健康診査及び特定保健指導、通称“メタボ健診”が今 年4月からスタートした。企業や自治体などの医療保険者に実施が 義務づけられ、40歳から74歳までの被保険者が受診対象となる。

企業の場合、5年後の健診実施率やメタボ該当者とその予備軍の 改善率などに応じて、健康保険組合の後期高齢者支援金の負担額 が、最大10%の範囲で増減する。そのため、社貞の健康対策に取り組む企業 が増えている。

アバレル・雑貨の総合卸商社、エトワール海渡(東京都中央区)では、自社 で運営する社員食堂が中心となって、社貞の健康管理をサポートしている。

同社の社員食堂は、主食のご飯や麺類、主菜2種類、副菜2種類、汁物、 サラダのほか単品アラカルトから、各自が好きなメニューを選択するカフェ テリア形式となっている。しかし、「社員がどのようなメニューを選択してい るか食事調査を行ったところ、約7割に食事内容に偏りがあることが分かっ た」と、厚生部の管理栄養士、福川裕子氏は指摘する。「全体的には野菜不 足が見受けられ、男性社貞では麺類にご飯といった栄養バランスの偏った組 み合わせを選んだり、量を食べすぎるといった傾向が気になった」(福川氏)。

そこで、メニューを選択するカウンター前に、理想の組み合わせの定食メ ニューを展示。社員食堂の壁やテープルには、栄養情報な どを記した手作りのポスターや卓上メモも設置した。「野 菜でアンチエイジング(抗加齢)フェア」「メタポリック対策フェア」といっ た、1週間の献立テーマを絞ったイベントなども開催し、社員の関心を高め るよう趣向を凝らす。メタボが気になるという男性社員(50歳)は、「理想の メニューが展示されることで食べる量の目安が分かり、摂取カロリーを意識 するようになった。気軽に管理栄養士に相談できるのも心強い」と話す。

また、社員食堂担当者と社員の代表8人で構成する「社員食堂モニター会」を 2〜3カ月に1度開催、意見交換を行うほか、健診を実施する直営クリニックと 連携し、有所見者に対する個別メニューの提供や栄養相談も行っている。 健診でメタボと診断された場合、本人が希望すれば、クリニック からの情報を基にその社員の健康状態に適したヘルシーメニューを、福川氏ら 管理栄養士が個別に考案する仕組みだ。

健診で腎臓に所見が見られ、塩分を控えるように指導されている女性社員(59歳)は、 「ヘルシーメニューを利用し出してから薄味に慣れ、自宅でも塩分を控えた味つけを するようになったためか、尿たんばくやむくみが改善した」と言う。

取締役兼執行役員の有賀俊文氏は、「メタボ対策は昼食の改善だけでは不 十分。特に男性社員の場合は、配偶者など家族の協力が必領」と話す。今後 は、社員の家族も対象にした健康セミナーの開催なども検討中だ。

[出典:日経ビジネス、2008/06/02号、田村知子=フリーランスエディター]

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