【歩くと痛む足のできもの】

1カ月前から、足の親指のつけ掛こ硬いできものがあるTさん(48歳)。
その部分が押されると、とても痛い。顧客回りで歩くことが多いので、 仕事にも支障が出て因っている。

Tさんの足のできものは、押すととても痛いということから「ウオノメ(魚の目)」ではないだろうか。 ウオノメは、血行の悪い人や、歩き方に癖があり一部に重心がかかってしま ぅ人、営業職などで1日中歩くことが多い人、つま先が細くてきついパンプ スなどを履いている人に多い。

本来は柔らかい皮膚が、圧迫や摩擦を受け続けることでだんだん硬くな り、その硬い部分が皮膚の外側と内側の両方に向かって大きくなっていく。 そのために神経を圧迫してしまい、押すと強い痛みを感じるのだ。中心には 黄色っぼい核があり、表面の皮膚はつるつるしている。魚の目のように見え ることから、そう呼ばれるのだろう。

一方で、「タコ」も、ウオノメと同様に同じ場所が繰り返し押されること で、皮膚が硬くなってできる。ただし、硬くなるのは皮膚の上の部分だけなの で、押しても神経を刺激することがなく、あまり痛くない。そのままタコを 放っておくと、さらに圧迫を受けてウオノメになってしまうこともあるの で、気をつけなくてはいけない。

また、ウオノメやタコと似ていて、見分けるのが難しいものとして「イボ」 がある。イボの原因は、ウイルスの感染によるものだ。イボは、表面がざら っとしていて、周りの皮膚との間にはっきりとした境界があり、また押して もあまり痛くない。稀に、イポの中にばい菌が入り、化膿してしまうことで 痛くなることはある。ウオノメやタコのように、庄追を受けやすい手の指や 足だけでなく、お腹や首など体のいろいろな場所にできる。子供は引っかき 傷がきっかけでできることが多く、高齢者にはあまり見られない。

ウオノメやタコの治療は、まずはその部分に圧力がかからない工夫をする ことである。足の裏であれば、足によく合った靴を履くことを心がけ、市販 のパッドなどで保護をすることが大切だ。歩き方に癖がある場合には、それ も直すとよい。皮膚は自然に新しいものに変わっていくので、こうした改善 で治っていくことも多い。

皮膚の上に盛り上がって硬くなった「角質」と呼ばれる部分を、お風呂な で皮膚が柔らかくなった時に、軽石ヤスリで削るのも効果的だ。ただし 執拗に取りすぎると痛みの原因になので注意したい。また、いう塗り薬を使って、 取ってしまうこともできる。その際には、患部周辺の皮膚につかないように気をつける。

一方、イボの場合はウイルスが原因なので、体の免疫力で自然に治って まうことも少なくない。また、イポを液体窒素で5〜10秒間ほど凍らせた り、電気で焼く方法などもある。なお、糖尿病だったり、手や足先の 血液循環が悪い人で、ウオノメになやすい人の場合には、特別な治療が 必要なこともあるので、一度専門医の察を受けた方がいいだろう。
(談話まとめ:當麻あづさ=医療ジャーナリスト)

[出典:日経ビジネス、2008/04/21号、堀育史=ワイキキ緊急医療クリニック (米国ホノルル)院長]

戻る