【糖尿病にスリランカの秘樹】

スリランカはインドと並んで、伝統医学アーユルヴェーダを継承する国だ が、1万種類以上あると言われるハーブの中でも、近年、糖尿病専門医の興 味を引いているものに「コタラヒムプツ」という薬木がある。

現在、日本国内の糖尿病患者数は、予備軍も含めると約1620万人、人口 の1割強だ。健康保険から糖尿病治療に支払われる医療費は2兆円に上り、 そのうち800億円は透析費用である。

糖尿病は、血液中の糖を回収するインスリンを分泌する膵臓が働きすぎて 疲弊し、インスリンを出せなくなったり、その働きが悪くなって高血糖を引 き起こす病気だ。特に東アジアの民族は欧米人に比べてインスリンの分泌能 力が低いので、糖尿病を発症しやすい。そこに1970年代以降の飽食と運動不 足が、今の危機的状況をもたらした。

対策は糖分を抑えることと、それをしっかりエネルギー代謝することだ。 コタラヒムプツの含有成分である「サラシノール」や「コタラノール」には、 糖質を単糖に分解する「α−グルコシターゼ」という酵素の働きを阻害する 作用がある。これは、糖尿病の一般的な治療薬の作用と同様だ。

また最近の研究では、肝臓での血糖の上昇を抑える働き(糖新生抑制作用) があることが報告されている。薬品に比べると血糖降下作用は弱いが、副作 用の心配がないので予備軍には朗報だ。加えて、エネルギー代謝を助ける ためにはビタミンB群も有用。ただし、糖尿病の治療薬を服用している場合 は、コタラヒムプツとの併用で血糖値を下げすぎる危険もあるので要注意。

[出典:日経ビジネス、2008/03/31号、後藤典子=NPO日本サブJメント協会代表理事]

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