【「アガリクス」は信頼を回復するか?】

「ガン」狙いのサブリメントとして最も知名度のあったアガリクスが、ブ ラックリストに載って一気に失速したのが2年前。当時350億円のマーケッ トは、100億円足らずとなり、アガリクスを扱う企業の倒産が相次いだ。

直接の敗因は、2006年2月の厚生労働省によるキリンウェルフーズ製アガ リクスの発ガン促進作用の報道だったが、それ以前にも幾つかの伏線はあっ た。2004年には劇症肝炎での死亡例、2005年には史輝出版の“バイブル商 法”摘発事件。書籍による情報の嘘がクローズアップされ、アガリクスに対 する疑念が広がった。

ところが、昨年あたりからアガリクスに関する肯定的な研究報告が相次い でいる。米国国立がん研究所(NCI)では、協和発酵グループのアガリクス 「仙生露」の前臨床試験で、肺ガンや大腸ガンの予防効果を確認したと報告し ている。また、米ハーバード大学医学部のジェームズ・A・クルコツト博士の 「アがJクスによるQOL(生活の質)改善に関する最新の研究成果」の報告 もある。そして今年に入って、厚労省研究班がアガリクスの安全性を評価す るために、ガン治療後経過観察中の患者90人の臨床試験を始めた。

信頼回復は市場にとって死活問題だが、利用者にとっては、さらに個々の 製品の品質を問いたいところ。市場が閉塞しても根強いアガリクス愛用者が いたように、どのサプリメントにも優良な製品はある。怪しいのはアガリク スではなく、玉石混交の製品の品質なのだから、まずは原材料や製造工程の 安全性が検証されるべきだろう。

[出典:日経ビジネス、2008/03/03号、後藤典子=NPO日本サブリメント協会代表理事]

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