【アンチエイジングドック】

アンチエイジング(抗加齢)ドックを開設する医療機関が増えている。先鞭 をつけたのは、2000年に開設された日本鋼管病院(川崎市)の老化度判定 ドック。50代、60代、70代・‥と、各年代にふさわしい健康状態を維持して いるかどうかを判定するものだ。
老化度判定の指標は、筋年齢、骨年齢、血管年齢、神経年齢、ホルモン年 齢の5つ。この指標に影響を与える因子は免疫、代謝、生活習慣、酸化スト レス、心身ストレスである。
老化度を判定する5つの指標で正五角形ができれば、少なくとも病的老化 はないことになる。逆に、五角形のいずれかの角がほかの角より鈍角になれ ば、その部分が劣っていることになる。
例えば、血管年齢が鈍角になって、血管の老化度が年齢以上に進んでいる と判断された人は、動脈硬化による脳卒中や心臓病を起こす確率が高いとさ れる。つまり、血管の病的老化が進んでいるのだ。ドックでの判定結果は、 生活指導や治療に反映される。病的老化を、単なる年齢によるものと思って いる人にとっては、アンチエイジングドックは、自らが肉体の危機管理を実 践する好機となるに違いない。
かつて、発症前の脳の病的状態を調べる脳ドックが開設され、保険適用外 にもかかわらず、多くの受診者を集めた。アンチエイジングドックは果たし て、2匹日のドジョウを狙えるだろうか。超高齢社会を迎えて、アンチエイ ジングドックが定着する可能性は高いが、ネックは数万円もかかる費用。医 療消費者の立場から言わせてもらえば、せめて1万円程度にしてほしい。

[出典:日経ビジネス、2008/02/25号、田野井正雄=医学ジす−ナリスト]

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