【『笑い上戸にガン少なし』】

明るい笑いが幸せを招くことは、先人たちがことわぎとして伝えている。 「一笑一若一怒一老」「笑いは人の薬」「笑う顔は打たれぬ」「笑う顔に矢立た ず」「笑顔の家には貨宝集まる」「笑って損した者はなし」など、枚挙に暇が ない。よく知られる「笑う門には福来たる」は、英語でも同様の意味を持つ 「Laugh and grow fat(笑って太れ)」ということわざがある。
さて、この笑い、医学的に見ても健康維持に大変役立つことが分かってき た。特に、次の2つの働きが注目されている。まずは「憂さ」を晴らす効用、 つまり、ストレスを笑い飛ばしてしまう効果だ。そして、大病を防ぐ体の免 疫力を高める効果である。
中でも、ガン細胞の発生や細菌感染の防御に威力を発揮する、白血球の中 の「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」が、笑いによって活性化されると言わ れているのだ。体の免疫力が低下すると、ガンに限らず、様々な病原体の侵 入を許すことになり、健康はとても保てない。
例えば、米国のスタイン博士の研究によれば、妻の死などの不幸に見舞わ れた男性の体内では、約3カ月間にわたって、免疫と深い関わりのあるリン パ球が、減少し続けることが明らかになっている。免疫力をいかに保つか。 これこそが、健康維持と長寿のカギと言えそうだ。
同じ「上戸」でも、「泣き上戸」や「怒り上戸」は、周囲のためにも自分のた めにもよくはならない。今年は健康の維持・増進のために、「笑い上戸」で、 よい年を送ってほしい。

[出典:日経ビジネス、2008/01/14号、志賀 貫=医学博士]

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