【食べ合わせにも優れたおせち】

源は、宮中での「お節供(せちく)」と言われている。1月1 日の元日のほか、季節の変わり目とされる人日(1月7日)、上巳(3月3日)、 端午(5月5日)などの五節句に、神様に捧げた神饌(しんせん)の総林だ。この行事が江 戸時代後期に庶民へと広まり、やがて、正月の袖僕だけが「おせち料理」と呼 ばれるようになったという。
おせち料理は「めでたいことを重ねる」という願いから、重箱に詰めるの が習わしだ。正式には4段重ねが基本で、上から一の垂、二の重、三の重、 与の重と呼ぶ。地域や家庭などによっても異なるが、一の重にはまめに働け るようにと黒豆を、また子孫繁栄を願う数の子、豊作を祈願する田作り(ご まめ)などの祝い肴を詰める。二の重には富を得る縁起物とされるきんとん や伊達巻きなどの甘いものを、三の重には長寿を願うェビやタイなどの海の 幸を、そして、与の重には先を見通すという意味のレンコンや、氏族繁栄を 願うゴボウなどの山の幸を詰める。
おせち料理にはお屠蘇と雑煮がつきものだが、きんとんや伊達巻き同様、 酒や餅にも糖質が多い。レンコンやゴボウの食物繊維には、糖質の吸収を穏 やかにする働きがあるので、バランスを意識して食するといいだろう。食物 繊維は、数の子やエビのコレステロールの吸収も抑えてくれる。田作りや累 豆には、ダイコkとニンジンを甘酢に漬けた紅白なますと食べ合わせると、 カルシウムの吸収が高まる。
おせち料理の由来や食べ合わせの効能を酒の肴に語り合う習慣を、家族の 食卓や宴の楽しみに加えてみてはいかがだろう。

[出典:日経ビジネス、2007/12/24・31号、白鳥早奈美=栄養学博士]

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