【発ガン性物質を排泄】

リンゴの品種は、世界で2000種を超えると言われている。我が国には奈 良時代に中国から伝わっていたとされるが、現在のような本格的な栽培が始 まったのは明治以降である。「国光」「紅玉」など75種が米国から導入されて以 来、品種改良が重ねられ、数多くの種を味わえるようになった。
欧州には「リンゴが赤くなると、医者が青くなる」ということわざがある ほど、リンゴは健康にいい果物として親しまれてきた。そんなリンゴに含ま れる有効成分のうち、特に水溶性の食物繊維であるペクチンという栄養素の 働きに注目したい。
ペクチンには血液中のコレステロール値を下げる作用があり、動脈硬化の 予防に有効だ。さらに、ペクチンはビフイズス菌などの善玉菌を増やし、老 廃物や発ガン性物質の排泄を促す。しかも腸内の水分を吸収してゼリー状に なるため、下痢や便秘の解消にもよい。
リンゴの皮の赤い色は、ポリフェノールのアントシアニンによるものだ。 アントシアニンは有害な活性酸素を除去する抗酸化カに優れており、免疫力 を高めるほか、抗ガン作用も期待できる。ペクチンも果肉よりも皮に多く含 まれているため、リンゴは皮ごと食べるのが望ましい。なお、皮のツヤはリ ノール酸によるものなので害はない。
リンゴの主成分はブドウ糖などの糖質で、疲労回復を促し集中力を高めて くれる。また、体内の余分な塩分を排出し、高血圧を予防するがカリウムも豊 富だ。食べ合わせには、糖質の働きを助けるビタミンB1に富んだカシュー ナッツや落花生などをお勧めしたい。

[出典:日経ビジネス、2007/10/29号、白鳥早奈英=栄羊学博士]

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