【繰り返し起こる頭痛】

季節の変わり目になって頭痛が起こり始めたNさん(42歳)。 キリで刺されたような痛みで、毎朝早くに日が覚めてしまうほどだ。 2〜3年に1度繰り返している。

頭痛は軽いものも多く、「我慢すればそのうち治まるだろう」「痛で、 いのは気のせい」などと、やり過ごしてしまうことが少なくない。
Nさんはここ数年、頭痛発作に襲われていた。ある日突然頭痛が起きると、 連日の激しい痛みのために、仕事もままならなくなっていた。しかし、ある 一定の期間が過ぎると、頭痛は嘘のように消え去った。そして、忘れた頃に 再び“頭痛の嵐”が襲ってくる。
Nさんが訴えるこのような頭痛は「群発頭痛」と呼ばれている。群発頭痛 は、春先や秋口といった季節の変わり目に起こることが多く、連日ほぼ同じ 時間帯に発作が現れる去発作が起こるのは数十分から1時間で、1〜2カ月継 続する。
その後、数カ月から数年ほどの痛みがない期間を経て、再び同じような頭 痛発作に見舞われることが多い。頭痛が起こっている期間は「群発期」と呼 ばれ、それ以外の期間は頭痛を感じないのも群発頭痛の特徴だ。
群発頭痛の痛みは、片側の目の奥や周囲に強く現れ、上あごのあたりや頭、 首の片側に広がる。しばしば「キリで刺されるような」「目がえぐられるよ うな」と表現されることもあるほどに激しく、痛みで夜眠れなくなったり、 深夜や明け方に日が覚めてしまうことも多い。
また、頭痛発作が起こっている側に、涙目や鼻水、鼻詰まり、結膜の充血、 まぶたのむくみといった症状が現れる点も特徴的だ。
片頭痛の場合は女性に多く発症するが、群発頭痛は20〜40代の働き盛り の男性が発症しやすく、その数は女性患者の4〜5倍だと言われている。頭 痛を訴えて当院を訪れる患者さんの中にも、群発頭痛と診断される人は少な くない。
群発頭痛が起こるメカニズムは、いまだ解明されていない。だが、拍動性 の頭痛である点は片頭痛に似ているため、頭頚部の血管の拡張がかかわるメ カニズムが推測されている。また、群発頭痛は自律神経を巻き込む発作のた め、涙目や鼻水などが現れる。 なお、生活面での注意としては、ア ルコールが頭痛を悪化させることが知られている。群発期には、飲酒を控え るようにしたい。
群発頭痛は、市販の痛み止めでは改善しにくい。このような発作が現れた ら、できるだけ早く医療機関を訪れてほしい。群発期に頭痛発作を予防でき 、る薬や、発作時に素早く痛みを抑える薬もあり、仕事などへの支障を減らす ことができる。
頭痛は脳出血や脳梗塞など、生命にかかわる病気の危険信号の場合もあ る。仕事を中断せざるを得ないような気がかりな頭痛は、自己判断で軽視せ ず、ぜひ一度、頭痛専門医の診察を受けることを勧めたい。
(談話まとめ:中西奈美=日経ドラッグインフォメーション)

[出典:日経ビジネス、2007/10/22号、大和田潔=秋葉原駅クリニック院長、 東京医科歯科大学神経内科臨床准教授]

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